2020年04月29日

指弾きプレイヤー最適弦?『D'Addario EXL170BT』

ベース弦ってどれがいいんだろうね?


みんなは何を使ってますか。

エリクサーですか、そうですか。

貴重だからって結局ラスボスまで大事にとっておいて、なんだかんだ余る派?
それともストーリー中に割と思い切って使う派?

僕は幼少期前者、大人になってから後者です。

え?そっちのエリクサーじゃねえって?

失敬失敬。

僕も過去色々使ってきてはいるんですが、結局交換するのめんどくさいというただそれだけの理由で、しばらくエリクサー固定で使ってたんす。
ただ、siraphの山崎さんが使っているということでタイトルの弦を使い始めたんすよ。

したら、この弦がめっちゃ良くて、そのくせ意外とネットにあまり記事がなかったから知りたい人の為に備忘録をば。

ベース弦のゲージ


一般的なベース弦のゲージは45-105のゲージでしょう。
ゲージ1弦 0.045  Inch
2弦 0.065  Inch
3弦 0.085  Inch
4弦 0.105  Inch
このゲージって2弦と3弦のテンションが1,4弦よりもキツいんすよね。


また、タイトルで出している『EXL170BT』には元々『EXL170』というのがあって
ゲージ1弦 0.045  Inch
2弦 0.065  Inch
3弦 0.080  Inch
4弦 0.100  Inch
これは僕も結構使ってましたが(亀田誠司さんが使ってるから)、今度は2弦のテンションが高くて4弦が緩みます。


なんでこんなことが起きているかというと、エレキギターやエレキベースの歴史自体浅くて意外とまだまだ発展途上なんです。
以前ジャズマスとジャガーの弦落ち問題でも触れましたが、元々は上記のゲージすらなかった時代に楽器が誕生してますからね。


そんな中近年生まれたのが、ダダリオのEXL170BT。
というかバランスドテンションシリーズ。

EXL170BT


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公式において

D'AddarioのEXL170BT Balanced Tensionベース弦は、数学的に算出された最適ゲージの組み合わせにより、優れたコントロール性と快適な演奏性を実現したものです。従来のXLニッケルワウンド弦のトーンに加え、チョーキング、カッティング、フィンガリング、スラップといった様々な奏法時もバランスよく、同等の感触でダイナミックなコントロールが可能です。

と記載されている。

もうバカだから数学的にって言われたら食いついちゃう。
科学は進歩しているわけだから、昔の常識は今の常識じゃないことなんて往々にしてあると思っているので、技術革新大好き。

例えば見た目はともかく、ギターブランドのマグネート・ギターズの考え方なんかも好き。

そんな過去を否定し生み出されたゲージがこれ
ゲージ1弦 0.045  Inch
2弦 0.060  Inch
3弦 0.080  Inch
4弦 0.107  Inch
全ての弦のテンションを一定にしてスムースに弾きやすくなるって理屈。

当然、運指のしやすさは上がります。
そこに関しては指弾きだろうがピック弾きだろうが大いなるメリット。

僕が個人的に感じたのは、指弾きにおいて早いパッセージが弾きやすくなったこと。
ピッキングに対して指先の感覚が一定なのもそうですし、4弦なんかは弦の返りが速い感じがするのでブブブブブブブッと弾きやすい。

確かに思い起こせば、プロの演奏者の方々って違うゲージの弦を2セット買って組み合わせてたりして張ってたりしたなぁと思った。
あーこいうことかぁって今更ながら納得。

なんか指まわんねぇな〜って思ってる人に是非使ってほしい。

DADDARIO ( ダダリオ ) / EXL170BT Nickel Wound Bass BALANCED TENSION Light 45-107
posted by mugeek at 00:26 | Comment(0) | 挨拶・雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月16日

本家公認マーシャル博物館

ジミヘンも愛したアンプ


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2019年10月14日の日本経済新聞の朝刊を見ていたら面白い記事を発見。

太字で表題「ジミヘンの愛したアンプ」
と書いてあるではないか。

著者はマーシャル収集家であり、マーシャル博物館館長の竹谷和彦さん。
僕は読むまで存じあげなかったのですが、彼の博物館にプロも沢山来訪し、どうやらその筋では著名な方の様子。

どの筋か知るに足る文面を新聞より抜粋

65年製の大音量アンプ「JTM45/100」の復刻版を2000年代につくる際、元モデルが社内になく私の収集品を参照にきたことがあった。

なんとも面白いのが本家マーシャル社が充てにする筋。
まるでジムマーシャルの次はこいつを頼れと言わんばかり。

僕はこういった一人のオタクの好奇心がやがて身を結び、本家に関わる程に侵食していくエピソードが好きである。

Fenderが日本進出を考えていたときに、当時スーパーコピーシリーズを作っていたフジゲンに白羽の矢が立ったように。

本家Fenderの工場が火災にあった間、Fender USAの制作をフジゲンが請け負っていたように。

オリジナルがあって初めて成立し、2次発生的なのは間違いないのだが、やはり文化において模倣と分析はとても大事である。

※詳しく知りたい方はこちら(富士弦楽器製造)

温故知新とあるように、古きを学び新しきを創造することは何をする上でも重要。

だからこそ俄然僕は竹谷さんに興味が湧いた。

また勝手にやっているわけでなく

海外の楽器店に「これを探している」と手紙を送るなどしてコツコツ集めてきた。ジム・マーシャルにも90年代半ばに手紙を書いた。「マーシャルはロックの歴史そのもの。ミュージアムを開きたい」。そうしたら何と本人から返信があった。
来日の折に話す機会ももらって「面白いアイディアだ。ぜひ、やりなさい」と背中を押してくれた。

ジムマーシャル公認というのが驚きだ。


さて、新聞記事において面白いエピソードがあったのでついでに紹介したい。

米フェンダー社を愛用していたジミヘンは、66年のロンドンのライブで初めて使った。しぶしぶだったらしいが、音を出すと顔色が変わる。そして公演後、開口一番に「ジム・マーシャルに会わせてよ!」と叫んだという。そしてジミヘンはマーシャルの伝道師になった。

なるほど。
こうやって英国産のアンプが一世を風靡したんだなと納得。

竹谷さんの最初のマーシャルを購入した動機はジミヘンの音を出す為だったらしい。

ジミヘンを愛し、マーシャルを愛し、気付けばマーシャル公認の博物館を建てる。
心が震えるようなストーリーだ。

そんな竹谷さんのマーシャル博物館はどこにあるかと言うと、山口県の田布施町にある。

防音室で実際に音を出すことも出来るようで僕も是非行ってみたい。

文化というのは誰にも必要とされないと、どんどん衰退していくものである。

CDを買わないとアーティストが解散するのが免れないように。

だからこそ、少しでも、ほんの少しでも貢献出来ないかと筆を取る我。
実際はスマホで書いてますけどね!!

興味のある方は是非本家オフィシャルを覗いてみてほしい。

↓↓↓
Marshall Museum Japan

引用元:日本経済新聞 2019年(令和元年)10月14日(月曜日) 文化32
posted by mugeek at 18:23 | Comment(0) | アンプ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月28日

ジャズマスターとジャガーをこれから買いたい方へ伝えたい弦落ち問題

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弦落ち


まず最初に伝えたい。

そこのカートコバーン好きな君。
田淵ひさ子に憧れて透明な少女になりたい君。

ジャガーとジャズマスターは弦落ちするぞ。
必ずするぞ。

弦落ちってのは、いわゆるサドルからズレたり、1弦がフレットから落ちたりするアレですね。
その結果音が途切れる。

ジャガーとジャズマスターのサドルはネジ頭のないネジみたいなやつで、弦が乗る専用の溝があるわけでなくネジに乗っかってるだけなのでズレやすいんすよね。
特にジャガーはショートスケールなんでもう酷い。
テンションがゆるいからね。

弦落ちはまともに演奏なんて出来ないレベルなので、普通は対策をする。
それかもうジャガーとジャズマスターは使わない。

この選択肢しかない。

でも君は買いたいらしい。

だから買う前に色々把握しとこう。

そもそも設計ミス?


1958年ジャズマスター発売

以前ブリッジミュートについての記事でも触れたんすけど、Fender社がストラトを最初にリリースした1954年時点では、弦のゲージが13-54のゲージだったんすよね。

んで、ジャズマスターが発売されたのも1958年でまだまだ13-54のゲージだったんすよね。
だから張力がバリッバリあるので、サドルがただのネジでも全然抑えこめたんすよね。

その後ジャガーが発売されたのが1962年で、その時代でもまだ13-54のゲージ。
ようやくライトゲージが誕生したのが1968年。
ただし、そのライトゲージも12-50というゲージなんすよね。

ソリッドギターというものが誕生して約70年で実は歴史が浅くて、50年前ですらまだそんなゲージ。
そんななかで音を歪ませたり、そこからロックが生まれたり、BPMが上がったり、メタルが生まれて速弾きが生まれたり、でようやく今のゲージが誕生するわけ。

てか未だに新たなゲージ発売されるしね。

ってことで、ジャガーやジャズマスターの弦落ちって割と現代の音楽のジャンルが発展したことによって生まれた現代病。

弦落ち対策


太い弦を張れ

string.jpg
ってことで、弦落ちしちゃうなら本来のゲージ張っちゃえばいいじゃん。

13-54あるいは12-50張っちゃおう。

当時ジャズマン達のエレキギターはレスポール使用者が多かったんですよね。
それに対抗して誕生したのがジャズマスター。

よし、ジャズやろう。

え?違う?

バズストップバー

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ジャズやんない?しゃーないロックやるか。

弦が細くなっちゃって張力が足りないなら足してやればいい。

ブリッジからサドルに向かう弦に角度を付けることで張力を足すのがバズストップバー。

これによって太い弦と同じような張力が発生し、サドルを抑えつけて弦落ちを防ぐって仕様。

ちなみに米津玄師さんが使ってるジャズマスターはINORANさんのシグネチャーモデルで、販売時から元々バズストップバーで張力を稼いでます。

音の変化としてはややブライトになるのと、演奏性としてもテンションがあがるので若干弾き難くなります。

ムスタング用ブリッジ(サドル)

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溝がないなら作ってやればいいじゃない。

ってことで、一番対策としてやってる人が多いのがこれ。
ムスタング用ブリッジに替える。

ブリッジって言ってるけど、何もブリッジごと変えなくてOKです。
サドルだけ変えれば大丈夫。

安価なのはバズストップバーなんですが、やっぱり演奏性と音が変わるのでこの変更を好む人が多いです。
既にこの変更がされた状態で販売されてるギターも多いです。

ただ、ジャガーに関してはショートスケール(610mm)なのでジャズマスターのレギュラースケール(648mm)よりそもそもテンションが低いんですよね。
なのでジャガーは更にバズストップバーも合わせてカスタマイズしてもいいかもしれません。

まとめ

ほかにもカートコバーンみたいにレスポール用のブリッジ穴開けてとりつけるとか、マスタリーブリッジってものを取り付けるとあるんですけど、結構敷居が高いので中々手を出しづらい。

正直、太い弦を張れ!とかはふざけましたすんません。

バスストップバーとムスタングサドルが容易に出来る弦落ち対策です。
とりあえずサドル変えてみて、まだ足んねぇなって思ったらバズストップバーも取り付けるとか、またはその逆の手順で組み合わせていくのが吉。

あとはもう自分の好きなアーティストの対策を見て、真似しちゃえばいいですよ。
posted by mugeek at 00:51 | Comment(0) | メンテナンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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