ジミヘンも愛したアンプ
2019年10月14日の日本経済新聞の朝刊を見ていたら面白い記事を発見。
太字で表題「ジミヘンの愛したアンプ」
と書いてあるではないか。
著者はマーシャル収集家であり、マーシャル博物館館長の竹谷和彦さん。
僕は読むまで存じあげなかったのですが、彼の博物館にプロも沢山来訪し、どうやらその筋では著名な方の様子。
どの筋か知るに足る文面を新聞より抜粋
65年製の大音量アンプ「JTM45/100」の復刻版を2000年代につくる際、元モデルが社内になく私の収集品を参照にきたことがあった。
なんとも面白いのが本家マーシャル社が充てにする筋。
まるでジムマーシャルの次はこいつを頼れと言わんばかり。
僕はこういった一人のオタクの好奇心がやがて身を結び、本家に関わる程に侵食していくエピソードが好きである。
Fenderが日本進出を考えていたときに、当時スーパーコピーシリーズを作っていたフジゲンに白羽の矢が立ったように。
本家Fenderの工場が火災にあった間、Fender USAの制作をフジゲンが請け負っていたように。
オリジナルがあって初めて成立し、2次発生的なのは間違いないのだが、やはり文化において模倣と分析はとても大事である。
※詳しく知りたい方はこちら(富士弦楽器製造)
温故知新とあるように、古きを学び新しきを創造することは何をする上でも重要。
だからこそ俄然僕は竹谷さんに興味が湧いた。
また勝手にやっているわけでなく
海外の楽器店に「これを探している」と手紙を送るなどしてコツコツ集めてきた。ジム・マーシャルにも90年代半ばに手紙を書いた。「マーシャルはロックの歴史そのもの。ミュージアムを開きたい」。そうしたら何と本人から返信があった。
来日の折に話す機会ももらって「面白いアイディアだ。ぜひ、やりなさい」と背中を押してくれた。
ジムマーシャル公認というのが驚きだ。
さて、新聞記事において面白いエピソードがあったのでついでに紹介したい。
米フェンダー社を愛用していたジミヘンは、66年のロンドンのライブで初めて使った。しぶしぶだったらしいが、音を出すと顔色が変わる。そして公演後、開口一番に「ジム・マーシャルに会わせてよ!」と叫んだという。そしてジミヘンはマーシャルの伝道師になった。
なるほど。
こうやって英国産のアンプが一世を風靡したんだなと納得。
竹谷さんの最初のマーシャルを購入した動機はジミヘンの音を出す為だったらしい。
ジミヘンを愛し、マーシャルを愛し、気付けばマーシャル公認の博物館を建てる。
心が震えるようなストーリーだ。
そんな竹谷さんのマーシャル博物館はどこにあるかと言うと、山口県の田布施町にある。
防音室で実際に音を出すことも出来るようで僕も是非行ってみたい。
文化というのは誰にも必要とされないと、どんどん衰退していくものである。
CDを買わないとアーティストが解散するのが免れないように。
だからこそ、少しでも、ほんの少しでも貢献出来ないかと筆を取る我。
実際はスマホで書いてますけどね!!
興味のある方は是非本家オフィシャルを覗いてみてほしい。
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Marshall Museum Japan
引用元:日本経済新聞 2019年(令和元年)10月14日(月曜日) 文化32