2019年09月01日

AriaProU ST400 1979年製 マツモク製 ストラトキャスター 改造品

アリアプロU ST400


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なんか書いてねぇなぁと思ったら自分が一番触ってるギター書いてないことに気付いたんご

ってことで、大好きなアリアプロUのジャパンビンテージの1本

ペグとかブリッジとかは全部替えちゃってるんで、オリジナルはボディーと電気系統ですね。
以前書いた【Greco SE500 1979年 フジゲン製 ストラトキャスタータイプ SUPEER SOUNDS】ってギターと似たようなギターなので、違いと同じところを含めて伝えたい。

ヘッド
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このシリーズは『STRINKIN’ SOUND』って名前
Grecoは『SUPER SOUNDS』って名前でやってましたね。
グレコもアリアプロUもヘッドはラージヘッド

このヘッドにはトラスロッドを回せるブレットナットが出てますね。
ヘッドにブレッドナットが出ているのは、Fenderでは1971年から採用された仕様。
対して、グレコの方は同じ年のギターと言えどトラスロッドの仕様がスロットナット(溝ナット)だったり、ピックアップが3wayだったり50年代っぽい仕様なんすよね。

アリアプロUの方が当時の最新系をモデルにしていたことが分かります。

ところで、グレコは50年代の模倣なのになんでラージヘッドなんよ??って思いませんか??

思うよね???(強制)

グレコがラージヘッドを作っていた理由

-制作工場
Grecoフジゲン,マツモク
AriaProUマツモク

これは当時の請負状況で、ご近所さんのこの2ブランドは、元マツモク社員の原山さんが独立して始めた原山ギターにネックを依頼してたんですよね。
んで、その受注方法が、フジゲンはマツモクを通して原山さんに依頼、のちに原山さんからマツモクに卸しマツモクがフジゲンに流す、という工程だったんすよね。

勿論、グレコもアリアプロUも上位機種はスモールヘッドなんですけど、

アリアプロUの
◆上位機種50年代仕様
◆下位機種70年代仕様

という販売仕様にグレコ側が合わせた結果、グレコ側でズレが発生したんじゃないかなぁとか思ってます。

その後、81年頃はフジゲンが原山ギターに直接発注に切り替え、そうするとやっぱりグレコは下位機種もスモールヘッドになりました。
だからグレコ側は元々スモールヘッドで行きたかったんじゃないのかなぁ。

ネックプレート

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シリアルナンバーは【B790152】
頭の数字二桁から1979年製であることが分かります。
工場はMATSUMOKUも文字から当然マツモク製。

以前書いた『1975年のギターの定価って現代だといくら?』から現代価値に換算して¥56,402円くらいですね。
現代価格にしても大した価格のギターではないんですけど、ボディの重さも一般的な重さでネックも強くてめちゃくちゃ弾きやすい。
このギターを手にして、ジャパンビンテージやるな??アリアプロUとマツモクやりおるな??
となったのは言うまでもない。

ボディ前面
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上でも書きましたが、70年代模倣だろうなと思うのはヘッドのブレットナットもそうなんですけど、ピックアップセレクターが5wayなんですよね。
そこもグレコの下位機種との差。

ピックアップはアリアプロUオリジナルのSPUというピックアップを3機詰んでます。

ちなみにブリッジはGOTOHのGE101TSに、サドルをRaw vintageのRVS-112に交換してます。

ヘッド裏
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ペグはGOTOHのSG381-07-L6-Chromeに交換済

ボディ裏
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トレモロスプリングは RAW VINTAGEのRVTS-1に交換済

以下ST400についてカタログ情報spec
ボディー/センまたはアルダー
ネック/メイプルワンピース
指板/Rはローズウッド
P.U./SPU×3
V.T./1V・2T
SW/5ポジションP.U.セレクター
カラー/ナチュラル(N)・サンバースト(S)・ブラック(B)・ホワイト(W)


このボディーのセンっていうのは、ナチュラル(N)のみで他のカラーではアルダーらしいです。
サンバーストから見える木目も、はっきりくっきりしてないのでおそらく本当にアルダーでしょう。

ちなみにボディーは3Pですね。
全体重量は3.5kgでストラトって感じの重量。

当時のAriaProUは、結構過小評価されていて、中古市場でもこの頃のコピーは安く手に入るのでジャパンビンテージ入門としてはめっちゃオススメです。

もし見つけたら買いです。
もしくは教えて下さい。買います。

この備忘録が誰かの参考になれば、これ幸い。

したらな
posted by mugeek at 22:45 | Comment(4) | ジャパンビンテージ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月31日

Greco SE500 1979年 フジゲン製 ストラトキャスタータイプ SUPEER SOUNDS

Greco SE500


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去年ヤフオクで購入して放置していた1本。
実は状態が結構悪かったんですが、色々拭いたり磨いたりして割と見れる見た目になりまんた。
ただ、汚れやサビが目立っていただけで、綺麗にしてあげたらフレットの減りも少ないし良い子。

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SE500というシールが貼ってありますね。
品番から分かりやすく、当時¥50,000円のおぎたー。
ペグがあんまり良くないんですよねこれ。

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シリアルナンバーは【H791063】です。
アルファベットを除いて頭二桁が年代ってことで1979年製ってことがわかります。

以前書いた『1975年のギターの定価って現代だといくら?』から現代価値に換算して約¥70,000円くらいですね。
79年くらいになると、現代とそこまで大きく物価指数も変わらないみたい。

ちなみにグレコにもマツモク製が勿論あって、ネックプレートに「MATSUMOKU」って書いてあるのがマツモク製。書いていないのがフジゲン製です。

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SUPER SOUNDSってネーミングで、よくよく考えるとすげぇ安直なネーミング。

だってさ、直訳したらさ


超音!


超!!!音!!!()


ってことですよ・・・どういうこと・・・

クリリンのことで怒ったんですかね?(はなほじ

ちなみにストラトタイプがSUPER SOUNDS()に対し、テレキャスはSPACEY SOUNDSって名前です。

ボディ前面
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ボディ背面
20190331_171531.jpg
これピックアップセレクターがなんと3WAYなんですよね。
フロント+センターとかセンター+リアとか出来ない仕様。
なんだよ不便じゃねえかって思いがちですけど、実はストラトキャスターがFender社から発売された1950年代はむしろそれが当たり前だったんですよね。

んで、上の画像のヘッドを見てもらうと分かるとおり、ヘッドからトラスロッドは回せない仕様なんですよね。
この仕様も1950年代のFender社のストラトと同じ仕様。

ってことから、このギターは勿論コピー品なわけでして、元にしたのが1950年代のストラトだったんでしょうね。
ネックがワンピースメイプルネックのDシェイプなので、モチーフは1959年かな??

ただし、ヘッドはラージヘッドという、いわゆる70年代仕様。
コピーしきれてへんなぁ、で片付けても良いのですが、これには深い深い海よりは深くない事情がある模様。

当時マツモクから78年に独立した、原山さんという名工がおりました(ご存命)

簡単に言うとマツモクにせよフジゲンにせよ、1ピースネックは原山ギターに発注してたんですよね。

その当時の納品形態が、一度マツモクに卸したのちマツモクからフジゲンに卸す形だったようです。

で、当時マツモクが担当していたAria pro2においては1970年代コピーを作っていた関係で、原山さんからマツモクへの納品がラージヘッドのネックになるのはそりゃ当然。

だから、必然的にマツモクのネック卸し先のフジゲンのギターもラージヘッドになったと想像してますがどうでしょう?

以下SE500についてカタログ情報

spec

Body
セン単板ボディ
ボリューム・コントロール×1
トーン・コントロール×2
3段階切り替えスイッチ
PU-100Wピックアップ×3
トレモロユニット付き

Neck
メイプル1ピースネック(ローズ指板もあり)
ディタッチャブルネック
ドット・ポジションマーク
MH803糸巻
SE500T、SE500N、SE500W、SE500B


ちなみにT:サンバースト、N:ナット、W:ホワイト、B:ブラックです。
なので僕のギターは正確にはSE500Tってことになりますね。

ボディがセンとなっております。
センについて詳しく書いてある記事があるので良かったらご参照ください。
ジャパンビンテージの木材について

このギターなんと重量が4.1kgがあり重いです。
このSE500は重さから鬼栓と考えられます。

以上SE500の紹介でした。
ニッチなあなたの参考になればこれ幸い。

これからゴリゴリ改造していこうと思います。
posted by mugeek at 20:01 | Comment(0) | ジャパンビンテージ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月11日

AriaProU LS600 1977年 マツモク製 レスポールタイプ

アリアプロU LS600


先日購入した、Aria ProUの77年製レスポールのご紹介。
以前書いたマツモク工業という記事にてAria ProUについて触れてますので良かったらご覧ください。
というわけで言わずもがな、マツモク製のこいつ

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外観はとても良く出来たコピーモデルだと思います。
Gibson社と比べると、ややボディが小ぶりなような気もします。
総重量はほぼ4kg
ちなみにGibson社が推奨しているレスポールの重さも4kgです。
カタログによるとトラモクのメープルトップ&マホガニーバックらしいです。

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いわゆるパンケーキ構造のボディ
Gibson社は木材が手に入らず70年代苦肉の策で選んだ製造方法なのに、それをそのまま真似しちゃうところがジャパンビンテージ
ちなみにカタログではパンケーキ構造をラミネートボディと表現してて、なんかかっこよく言ってる。

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そしてヘッド
77年製ですので、本来Les Paulと書かれている部分に何も書いてませんが、のちにAria ProUではLeo Pardという文字が入りレオパードシリーズなるものもあります。

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ヘッド裏で、80年からはここにシリアルが入って年号を把握できるのですが、77年のものには入ってません。

さて、ではなぜ77年とわかるのかですが

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このピックアップを見てください。
ディマジオのようなポールピースのこいつ
Aria ProUで開発されたEXTRAシリーズのEXTRA-1というピックアップなのです。
また78年、79年のEXTRA-1はポールピースが一般的な芯のやつで、ディマジオの模倣してるEXTRA-1は77年だけ。

この頃Aria ProUでは同じ見た目のディマジオ SUPERUというやつを上位機種に付けてました。
ワンチャンSUPERUだったらLS600じゃなくてLS700だなぁと思いながらピックアップを見てみましたが

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残念、ディマジオではありませんでした。
というわけでやはり77年のLS600

ところで、ピックアップを取り外しますと、ネックジョイントに注目

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これはマツモクお手製の、セットネック+ネジ留めのディープジョイント。

ディープジョイントは賛否両論あって、ヒスコレくらいでしか最近では見かけないですね。
Gibson社はサスティンや剛性アップがディープジョイントで生まれると言っていますが、個人的には剛性アップは認めるけどもサスティンはピンとこないですね。

そして、このビス留めはおそらく更なる剛性・耐久性を加味してのこれでもか!というマツモクのオリジナル技だと思いますが、完全なコピーを求める方にはマイナスかもしれませんね。

ただ、世界的にのちに有名になるAria ProUのPEシリーズもこのジョイント方法であることを忘れてはならない。
ほんと丈夫なので、実は理に適っていて、拘らなければメリットも大きいと感じでいます。

体感ではネックの鳴りがボディに振動してないなと感じてしまいますがね。。。

さて、最後に回路部分

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Aria ProUのカタログにおいて、P.C.ボードと呼ばれるオリジナル回路(サーキット)

そのままカタログの宣伝文句を引用すると
PROUだけのP.C.ボード
V.T.回路は、P.C.ボードでワイヤリングされ、シールド効果は確実になり、ショート・断線などのアクシデントを排除した安全設計で、PROU独自の技術です。
とのことですが、なんのこっちゃ

シールド効果ってのはノイズ出ない対策ってことですね。
つまり、ノイズもショートも断線もないぞってことでしょう。

でも、結局このオリジナル回路()笑はのちに使われなくなっちゃうので、つまりはそういうことでしょう。

実際に上記のようなメリットが見込めたとしても、一部壊れたら全とっかえする必要があるし、オリジナル回路なんてものは聞こえはいいけどリペアマンがお手上げの場合があるのでね、なんなら今壊れたらAria ProUの工場にも在庫がないでしょう。

そういう意味でもこの回路に理点を見いだせないですね。

ただ、ネックジョイントの方法といい、回路の設計といい、より現場向きにマツモクが開発を頑張ったんだなって歴史を感じれて嬉しいですね。
長いツアーに出る際の耐久性を考えて作ったんだなと思います。

というわけで、これからこいつをどんどん改造していこうと思ってます。
状態も良いのでいじっちゃうのは勿体ない気もするんですけどね。

改造したらまたアップします。
posted by mugeek at 06:00 | Comment(2) | ジャパンビンテージ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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