2023年06月08日

色々な9Vアダプター(センターマイナス)をテスターで測ってみた。その3

ちょっとだけ9Vセンターマイナスのアダプターが増えたので、その3。

以前の記事はこちら
色々な9Vアダプター(センターマイナス)をテスターで測ってみた。その1
色々な9Vアダプター(センターマイナス)をテスターで測ってみた。その2

実測


BOSS PSA-100

PSA-100-1.jpg
OUTPUT:9V 200mA

ボスコンPSAシリーズでは初代のPSA-100。
1977年〜1993年と比較的長い期間販売されていたモデル。
次のPSA-100G、PSA-100Pと比べると小型。

PSA-100-2.jpg

若干高い「9.71V」を示しました。
いわゆる電池駆動の電圧に近いです。
ProvidenceのPAP-509DCJも電池使用時の音を目指して9.6V設定なので、現代だったらそっちで代用できるかも。

トランス式であり安定化タイプです。

※安定化タイプは平滑回路の後に「電圧安定化回路」を追加したものです。

Roland ACI-100C

ACI-100C-1.jpg
OUTPUT:9V 1000mA

今じゃBOSSさんの親会社Rolandはん。
Rolandのプリアンプやら電子ピアノ、モジュール等など、に対応したACアダプター。
似た型番にACI-100、ACI-100Jがありますが、同じものだそうです。

ACI-100C-2.jpg

13.35Vを計測。
非安定化にしては気持ち高めの電圧かな?
もし、このアダプターから9Vのスイッチングに変更すると、意外と音変わりそう。

Roland ACR-100

ACR-100-1.jpg
OUTPUT:9V 500mA

同じくRolandのアダプター。
Micro-CUBE付属のものらしい。

ACR-100-2.jpg

12.74Vを示し、非安定化のトランス式。
ほぼほぼ9Vの√2乗の値なので、まさしく専用アダプターという感じ。
ちょうど500mAのマルチエフェクターは多いので、流用しやすいアダプターと言える。

KORG KA181

KA-181-1.jpg
OUTPUT:9V 600mA

KORGのエフェクターやmicroKORGなどのACアダプター。
同じ品番の現行品は1.1Aのスイッチング電源だが、こちらは600mAのトランス式。
ちなみに同等品としてKORGには、KAC-301TというACアダプターもある。

KA181-2.jpg

ACR-100と似て12.9Vを示しているので、非安定化のトランス式ですね。
エフェクターやmicroKORG、ELECTRIBEまでこれを使用していたかと思うと、そりゃあスイッチング式にするわな。
動作には問題なくとも必要電流バラバラで、機器によって電圧変わっちゃうもんね。

Canon AD-12

AD-12-1.jpg
OUTPUT:9V 1.1A

CanonのACアダプター。
対応機器は不明。
プリンターではないので、電話機やタイプライター、電子計算機とかの類でしょうね。

AD-12-2.jpg

12.64Vを示す。
上二つと同じくだいたい9Vの√2乗の値。
ただちょっとアンペアがデカいので、エフェクターの類で使おうと思うと、電圧は高くなるでしょう。

SONY AC-T90S

AC-T90S-1.jpg
OUTPUT:9V 300mA

多分SONY製ラジオのACアダプターかな。
同じ300mAでAC-160ってのがある。
そちらはICF-6500のアダプターだそう。

AC-T90S-2.jpg

11.68Vを示す。
非安定化トランスにしては若干低め。
とはいえ、ラジオ用アダプターであれば70年代後半の代物なので、経年による電圧低下の可能性もゼロではない。

Aria pro U AD192

AD192-1.jpg
OUTPUT:9V 200mA

古いアリアのマルチエフェクターに付いていたアダプター。
当時のカタログを見ると、単体でも販売してました。
僕が買ったのはAPE-6というマルチエフェクター。
だいたい80年代中盤〜後盤くらいのACアダプターです。

AD192-2.jpg

15.33Vと相当電圧が高め。
その1で紹介したZOOMのAD-0006Aと同じく平滑回路がないかもしれません。
BOSSのACA対応エフェクターの代替品としても使えます。

ちなみに9VのアダプターをOD-2とかに刺すとLEDランプがうっすらしか光りません(電圧不足で音も細い)が、こういうアダプターを刺すとめっちゃ光るので使えるかどうかわかりやすい。

CLASS2 POWER UNIT

CLASS2-1.jpg
OUTPUT:9V 0.25A(250mA)

SEGAのメガドライブプレイTVってゲーム機の別売りアダプターらしい。
それ自体は2004年らしいんだけど、乾電池駆動のファミコンミニみたいなことを当時やってたことに驚き。

CLASS2-2.jpg

14.93Vの表示でこれまた高め。
ヤフオクとかで400円で売ってたから、ACA-100探してる人にはちょうど良いかも。


まとめ

種類電圧(V)
CAJ PB05DC9-2.1スイッチング式9.05
HITACHI HAC-BP10スイッチング式9.88
BOSS PSA-100G安定化トランス式9.71
BOSS PSA-100G安定化トランス式9.01
BOSS PSA-100P安定化トランス式8.93
SHARP EA-150安定化トランス式10.03
Roland ACR-100非安定化トランス式12.74
Roland ACA-100T非安定化トランス式12.8
Roland ACI-100C非安定化トランス式13.35
KORG KA181非安定化トランス式12.90
SONY AC-T90S非安定化トランス式11.68
SONY AC-940非安定化トランス式12.58
Canon AD-12非安定化トランス式12.64
ZOOM AD-0006A非安定化トランス式14.72
Aria Pro U AD192非安定化トランス式15.33
CLASS2 POWER UNIT非安定化トランス式14.93
PSE-0015/0010 HKSD-120247非安定化トランス式14.53

前回のと合わせて記載。

また溜まったら測定します。

したらな。
posted by mugeek at 01:36 | Comment(0) | ジャパンビンテージ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月12日

YAMAHA FG-122 1976年 オレンジラベル

FGシリーズ


ヤマハのFGシリーズは1966年に誕生した、国産第一号のフォークギター。
まず最初に、FG-180とF-150の2機種でスタートしました。

MartinのD-28の形であるドレッドノートを、ヤマハはそれをジャンボと呼び
またクラプトンの使用で有名なMartin 000-42の形であるトリプルオーを、ヤマハはフォークと呼んでいました。

FG-180がジャンボタイプ、FG-150がフォークタイプとして分類されてました。
※のちの正確な表記は、FG-180JやFG-150Fになります。

当時の所謂、ジャパンビンテージと呼ばれるFGシリーズはマニアには昔から人気なんすよね。
それこそジャパンビンテージっていう名前が出てくる前から人気。
そういった意味じゃ、時代に流されず評価されていることでその質が分かると思います。

勿論、物によるんですけど凄い鳴るんですよね。

有名なのはやっぱFG-180で、ゆずの岩沢さんが使っていたことで有名ですね。
デビュー当時の音源なんかではバリバリ使ってたみたいなんで、気になる方は音源をどうぞ。

んで、時は進み1970年代のアコースティック市場ってジャンボとフォークだと、フォークの方を安くするのが主流だったんすよね。
しかーし、ヤマハさんこのFG-122を出す頃には同価格で2タイプを出してました。
そこで、値段を変えない代わりに廉価版を出しました。

それが、このFG-122

※廉価版はフォークのみ

YAMAHA FG-122 オレンジラベル


20190912_130308.jpg

このギターは斉藤和義さんが使用していたことで、当時のヤマハの廉価版ギターなのにも関わらず再評価され貴重な一本となってます。

販売期間は1975年〜1978年のギター。
(※1975年に製造はされてても、発売は1976年からなはず・・・)
シリアルは「60802」で、サウンドホールのネックエンドらへんに書いてます。

1973年から1984年のシリアルは5桁シリアルで
頭文字が西暦+日付で読みます。
ってことで、このギターは1976年8月2日に製造されたギターですね。

斉藤和義さんのFG-122のシリアルナンバーは「60725」だそうで、1976年7月25日生まれの子ですね。
お、僕のと1週間くらいしか変わらない!

ヘッド表
20190912_125944.jpg

ヘッド裏
20190912_130046.jpg
FG-152以上からはロトマチックなのに対し、FG-122はオープンタイプのペグで、ここでコストカットしてるのが分かります。

バック
20190912_130143.jpg

この裏側の木材も、サイドもトップもFG-152と同じ木材なんですよね。
トップにいたってはFG-402まで使われている木材。

ここでこのギターの詳細スペックを見ていただくと
specボディ:フォーク
スケール:636mm
トップ:エゾ松合板
サイド・バック:アフリカン・マホガニー合板
ネック:ナトー
フィンガーボード:プヒンガ
ブリッジ:プヒンガ
木材で唯一違うのが指板とブリッジのプヒンガ。
あちらはパリサンドルって木材を使ってます。

こことペグで¥3,000円分のコストカットしているんですね。
しかし言うてそこだけなので、値段にしては異常なほど高品質。

ラベルの話

20190912_143758.jpg

ヤマハのアコギのみんな大好きラベル。
このギターはオレンジラベル。

1976年のヤマハのラインナップは、新たに6価格帯のギターを発売。
全てオレンジラベル。

ちょっとした転換期で、ジャンボという名称をやめてウエスタンと呼ぶようになりました。
FG-150JやFG-150Fなどの末尾で使われていたアルファベットも廃止し、末尾の数字「1」がウエスタン、「2」がフォークを表すようになる。

FG-151/152,201/202,251/252,301/302,351/352,401/402
となり、¥15,000円から¥5,000円刻みで計12機種が発売されました。

なので、FG-122の定価は¥12,200円・・・と思いきや、¥12,000円なんすよね。

20190912_130033.jpg

廉価版で¥12,000円の価格帯のフォークタイプであるからFG-122。

なお、冒頭でも書きましたが、ウエスタンのFG-151とフォークのFG-152でボディシェイプが違うもので値段が変わらない。
本来であれば市場においてフォークタイプの方が安く販売されるが、ヤマハは同価格2機種での販売戦略だったので、ならいっそのこと新しく安いフォークギターを出しちゃおうってことで生まれたのが、¥12,000円価格帯の廉価版。

ちなみに¥12,000円価格帯でFG-120というものがあるが、それもFG-120Fというフォークタイプ。
FG-120Fは名前から分かるとおり、1976年の転換前の機種で黒ラベル。
黒ラベルってことで1975年のものになります。

ちなみにFG-120Fのスペックは
specトップ:スプルース
サイド・バック:アガチス
ネック:ナトー
らしく、FG-122とは別物であることが分かります。

最後に

古いFGシリーズは状態が良ければ恐ろしいほど鳴ります。

なんか胡散臭いしダサいから嫌なんだけど、いわゆる爆鳴りってやつです。

さらにこのFG-122は、1976年から2019年という発売から43年経っているにも関わらずネックがピンピンしています。
この記事書くにあたり、ちょっとロッドとか回したんですが、今弦高が6弦2mm・1弦1.8mmで低めの調整が可能となっています。

普通43年経ったら、余裕で弦高3mmとかいきますよ。

そういった意味でもめちゃくちゃ弾きやすくておすすめです。

どっかで触れる機会があったらぜひぜひ。
posted by mugeek at 18:33 | Comment(0) | ジャパンビンテージ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月01日

AriaProU ST400 1979年製 マツモク製 ストラトキャスター 改造品

アリアプロU ST400


20190816_163513.jpg
なんか書いてねぇなぁと思ったら自分が一番触ってるギター書いてないことに気付いたんご

ってことで、大好きなアリアプロUのジャパンビンテージの1本

ペグとかブリッジとかは全部替えちゃってるんで、オリジナルはボディーと電気系統ですね。
以前書いた【Greco SE500 1979年 フジゲン製 ストラトキャスタータイプ SUPEER SOUNDS】ってギターと似たようなギターなので、違いと同じところを含めて伝えたい。

ヘッド
20190816_163521.jpg
このシリーズは『STRINKIN’ SOUND』って名前
Grecoは『SUPER SOUNDS』って名前でやってましたね。
グレコもアリアプロUもヘッドはラージヘッド

このヘッドにはトラスロッドを回せるブレットナットが出てますね。
ヘッドにブレッドナットが出ているのは、Fenderでは1971年から採用された仕様。
対して、グレコの方は同じ年のギターと言えどトラスロッドの仕様がスロットナット(溝ナット)だったり、ピックアップが3wayだったり50年代っぽい仕様なんすよね。

アリアプロUの方が当時の最新系をモデルにしていたことが分かります。

ところで、グレコは50年代の模倣なのになんでラージヘッドなんよ??って思いませんか??

思うよね???(強制)

グレコがラージヘッドを作っていた理由

-制作工場
Grecoフジゲン,マツモク
AriaProUマツモク

これは当時の請負状況で、ご近所さんのこの2ブランドは、元マツモク社員の原山さんが独立して始めた原山ギターにネックを依頼してたんですよね。
んで、その受注方法が、フジゲンはマツモクを通して原山さんに依頼、のちに原山さんからマツモクに卸しマツモクがフジゲンに流す、という工程だったんすよね。

勿論、グレコもアリアプロUも上位機種はスモールヘッドなんですけど、

アリアプロUの
◆上位機種50年代仕様
◆下位機種70年代仕様

という販売仕様にグレコ側が合わせた結果、グレコ側でズレが発生したんじゃないかなぁとか思ってます。

その後、81年頃はフジゲンが原山ギターに直接発注に切り替え、そうするとやっぱりグレコは下位機種もスモールヘッドになりました。
だからグレコ側は元々スモールヘッドで行きたかったんじゃないのかなぁ。

ネックプレート

20190816_163554.jpg

シリアルナンバーは【B790152】
頭の数字二桁から1979年製であることが分かります。
工場はMATSUMOKUも文字から当然マツモク製。

以前書いた『1975年のギターの定価って現代だといくら?』から現代価値に換算して¥56,402円くらいですね。
現代価格にしても大した価格のギターではないんですけど、ボディの重さも一般的な重さでネックも強くてめちゃくちゃ弾きやすい。
このギターを手にして、ジャパンビンテージやるな??アリアプロUとマツモクやりおるな??
となったのは言うまでもない。

ボディ前面
20190816_163534.jpg

上でも書きましたが、70年代模倣だろうなと思うのはヘッドのブレットナットもそうなんですけど、ピックアップセレクターが5wayなんですよね。
そこもグレコの下位機種との差。

ピックアップはアリアプロUオリジナルのSPUというピックアップを3機詰んでます。

ちなみにブリッジはGOTOHのGE101TSに、サドルをRaw vintageのRVS-112に交換してます。

ヘッド裏
20190816_163549.jpg
ペグはGOTOHのSG381-07-L6-Chromeに交換済

ボディ裏
20190816_163602.jpg
トレモロスプリングは RAW VINTAGEのRVTS-1に交換済

以下ST400についてカタログ情報spec
ボディー/センまたはアルダー
ネック/メイプルワンピース
指板/Rはローズウッド
P.U./SPU×3
V.T./1V・2T
SW/5ポジションP.U.セレクター
カラー/ナチュラル(N)・サンバースト(S)・ブラック(B)・ホワイト(W)


このボディーのセンっていうのは、ナチュラル(N)のみで他のカラーではアルダーらしいです。
サンバーストから見える木目も、はっきりくっきりしてないのでおそらく本当にアルダーでしょう。

ちなみにボディーは3Pですね。
全体重量は3.5kgでストラトって感じの重量。

当時のAriaProUは、結構過小評価されていて、中古市場でもこの頃のコピーは安く手に入るのでジャパンビンテージ入門としてはめっちゃオススメです。

もし見つけたら買いです。
もしくは教えて下さい。買います。

この備忘録が誰かの参考になれば、これ幸い。

したらな
posted by mugeek at 22:45 | Comment(4) | ジャパンビンテージ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
スポンサードリンク