スイッチング電源ははたして悪か?
ACアダプターは沼。
まずはこちらをご覧下さい。
結構昔から有名な話ですが、RME FIREFACEの電源アダプターをYAMAHA PA-6に変えると音質向上するんすよね。
ご多分に漏れず、ネットの情報に踊らされる民の私も、PA-6ではないですが、前行機のPA-5に交換した勢。
不思議なもんで、確かに音が元気になるんすよね。
やっぱりオーディオにはスイッチング式じゃなくてトランス式だぜ!!!
と、思いきや、はたして造りの問題だけなのだろうか?
とりあえず今回はRMEのインターフェースを元に、そこんところの考察をまとめたい。
RME FIREFACEのACアダプター
槍玉にあげてるFIREFACEですが、正確には自分が使ってる機種はFIRFACE UCってやつです。
んで、RME製品はこれが2台目でして、その前はFIREFACE 400ってやつを使ってました。
同タイプだと進化版はFIREFACE UCXってやつですね。
それぞれ、付属してきたACアダプターが違いまして
左がFIREFACE400、右がFIREFACE UCの純正アダプター。
UCXもUCと同じ。
シンタックス公式で専用アダプターがNTCBという品名で約1万円で販売してるやつ。
とまぁ、これだけ見ても同じ付属スイッチング電源といえど、年々グレードアップしてるんすよね。
(余談ですが、400のアダプターは最終的に本体をショートさせた曲者)
こうなってくると、昔の価値観でスイッチング電源を語るのはちと早計かなと。
メーカーも指咥えてるだけじゃなかろう。
実際エフェクター用のアダプターでも、近年リリースされたCAJのアダプターなんかはスイッチング電源だけど、ファズでも全然ノイズが増幅されない。
逆に昔買ったVISUAL SOUNDのアダプターはノイズ酷いんよな。
電圧の問題じゃね?
そこで思うわけ。
電圧の問題じゃね???
って。
これ、あんまり言及されてないんだけど、YAMAHA PA-6によるFIREFACEの音質向上は過電圧の影響じゃなかろうかと。
というのも、以前個人輸入したLexiconのインターフェースを使っていた時に、アダプターが日本の規格に合わないからアップトランスで昇圧して無理やり使ってたんす。
その時に感じたのが、機器への入力電圧を上げると、めちゃくちゃ音がでかくなる上に、細かい音まで前に出てきて見えやすくなるんすよね。
いわゆるヘッドルームの余裕ってところなんだろうけど、日本の電圧でボリュームツマミをMAXにしたときの音量が、ヨーロッパ電圧だと目盛6とか7で出るような感じ。
あ〜、だからロスでわざわざレコーディングするんだなぁとその時気付いた次第。
(実際は気候が乾燥してて音の伝播率が高いってのもある模様)
エフェクターでも電池のが音良いとか言うけど、あれ9Vじゃなくて約9.6Vで若干高いんよな。
電圧を少し多めに流してやると、音が元気になる。
あれ?
ここで冒頭の動画を見て欲しい。
まさに元気になるってこんな感じ。
こうしちゃおれん、テスターで電圧測ろ。
実測
FIREFACE 400用アダプター
Ktec KSAFE1200200T1M2
OUTPUT:12V 2.0A
測定された電圧は12.3V。
そんなに大きくないし、線も細め。
非常に貧弱なアダプターでした。
こいつが原因が知りませんが、FIREFACE 400は電源ショートを起こし壊れました。
FIREFACE UC用アダプター
株式会社シンタックスジャパン STD-12020T
OUTPUT:12V 2.0A
電圧は12.1V。
シンタックスが開発製造しているACアダプター。
NTCBという型で¥9,900円で販売しております。
ホームページによると
高性能ユニバーサルスイッチング電源
特別に設計された高性能スイッチング電源によって、 Fireface UCは、100V 〜 240V ACの電圧範囲で動作します。
最新のライン・フィルタを装備することで、電圧の変動によるトラブルを完全に防止します。
専用に設計されただけあって、特にトラブルも起きたことがありません。
説明文に書いてあるラインフィルタで突然の電圧変動を抑えているということで、400用のアダプターはその辺の質が低かったんすかね。
YAMAHA PA-5(PA-6)
YAMAHA PA-5
OUTPUT:12V 2.0A
2009年1月頃にPA-6が後継機として発売される前のモデル。
見た目や仕様は全く一緒。
電圧は15.6V。
。
え?12Vじゃないの?!と驚くことなかれ。
トランス式の非安定化ACアダプターは、電流が流れて負荷により電圧が下がる仕組み。
2A流れた時に12Vになるのです。
ただし、公式の仕様によると
・電源:外部電源アダプタ
・平均消費電力: 13 ワット
・12ボルト動作電圧での電流:910 mA (11ワット)
・寸法(ラック耳含)(WxHxD):265 x 44 x 165 mm (10.5” x 1.73” x 6.5”)
・寸法(ラック耳無)(WxHxD):218 x 44 x 155 mm (17.2” x 1.73” x 6.1”)
・重量: 1.5 kg ( 3.3 lbs)
・動作温度:摂氏 +5°〜 +50°
・相対湿度:< 75%、結露なきこと
・付属電源アダプタ:内部スイッチPSU、100 - 240 V AC、2 A、24 ワット
と書いており、910mAのみならず、平均消費電力の13Wから逆算しても、せいぜい平均1.1A程度の電流。
つまり、実際は12Vまで下がるわけではなく、若干高めの電圧がインターフェースに流れていることになります。
だからこそ、FIREFACEの音質向上の要因、一番は電圧じゃねえか??と思うわけ。
高い電圧を与えたときに音のハリは良くなるし音は元気になるので、スイッチング式よりトランス式の方が高音質とか、造りの違いだけの影響なんてことはないはず。
電源による音質の違いというのは確かに存在するんだけど、
トランス電源最強!!♬(ノ゜∇゜)ノ♩
トランス電源最強!!♬(ノ゜∇゜)ノ♩
と唱えるならば、等条件に揃えた上でせめて語ってもらいたいなぁと思う今日この頃。