ある日突然
「あの歌良い歌だよね」
「昨日のテレビであの歌聴いた?!」
こんな会話を小学生の頃、したり聞いたりしたことが誰しもあると思います。
あれ?
いつから「歌」って呼ばなくなった?
「あの曲良い曲だよね」
いつから「曲」って呼び始めた?
おそらくは音楽が好きでヘビーリスナーになったり、ライブハウスに通ってみたり、楽器を始めてみたり…
いろんな理由があると思うけど、気がついたら「歌」呼ばわりをやめて「曲」と称するようになったりします。
だから何?って言われそうですが、個人的にはとてもここに盲点が潜んでいると考えています。
ちょうど世間がザワついた時
音楽的と関係のない人と世間話していた時のこと
僕自身は興味ない話題だったのですが、ベッキーの話題をその人はしてました。
そこで気になったことがあったので質問したんです。
「そもそもゲスの極み乙女って知ってるの?」
「え?歌の人でしょ?知ってるよ〜」
は?!
歌の人!?
僕は衝撃を隠せませんでした。
アーティストとかバンドとか称するのであれば理解出来るのですが、歌の人呼ばわり。
別にその人が悪いんじゃありません。
なんたって音楽はたまに聴く程度の方ですから。
その人自身もCDを買わない人なわけでもないんです。
なんてこったい。
僕自身が当たり前にしてきたカテゴライズはライトリスナーにとっては全て一緒くたなのではなかろうか、と思い始めました。
それから
テレビでウーマンラッシュアワーの村本さんも
「歌の人やから」
とか
ダウンタウンの松本人志さんも
「その歌の人知らんしぃー!」
とか
意外と言っていて
※ワイドナショーと水曜日のダウンタウンだった気がします。あと松ちゃんは多分わざと。
「歌」と称する大人も意外と多いという事実に気が付いたんです。
確かにうちのお母さんも「歌」って言うなぁとか、意識しだしたら沢山溢れてた。
歌
楽器やってると「歌」って声な気がしますよね。
singの部分であってsongではないみたいな。
ただ、上記のようにリスナーの中にはそうじゃない解釈として聴いている人がいるのもまた事実。
確かに楽器やってない人にはリフの差は伝わりづらいわけで、別に自己満足なんだけども、そこまで伝わってないのか!と「歌」呼びする人に対して思ったんです。
でも、考えてみたら売れているポップソングやバンドの曲ですらも
・サビ始まり
・サビ終わりすぐAメロ戻り
・間奏無しでCメロに置き換え
こんな構成の曲多いですよね。
そもそも音楽やってない人とカラオケ行くとよく間奏早送りしてるし。
そう、実はそこまで間奏や演奏部分に需要がないのです。
いくらキャッチーでも間奏長い曲は歌ものであって「歌」じゃないんですよね、その人達からしたら。
もちろんライブハウスに来るようなお客さんは別ですよ。
需要と呼ぶには悲しいけど小規模ですし。
「歌」と「曲」の違いを考察するとリスナーとプレイヤーの壁を確かに感じます。
演者として譲れないものはあっていいと思うんです。
需要準拠しちゃったら全部同じものになっちゃうし。
ただ誰かに音楽を届ける以上、こんな事実もあるよって知っておくと少し動きやすくなります。
売れたい人はその事実を多少意識しつつ活動してみてもいいし
「なんで分かってくれないんだ!」
って悩む人はそもそも上記のような事実を認識して
「そりゃわかんねぇよな」
って開き直っていいと思いますし
「歌」と「曲」違いはシステマティックに解析したらそりゃ大きく違いますけど、マインドの差がもっと拡がってくれるといいなと思います。