フラットとは?
一般的には下の周波数から上の周波数まで平らに整列された状態をフラットとしますね。
フラット論争は多種多様あって、上記を原音重視だなんて表現することもあります。
この場合、理論値で言えばギターで作られた音をそのままスピーカーで増幅しているような形。
対して聴覚上のフラットなんてものもあります。
これはイヤホンなんかで良くあるのですが、加工してフラットに近づける音ですね。
ドンシャリな曲もそれで鳴らせば中域が出てくるようなイメージ。
おそらくギターアンプを用いる方は最初の原音出力をご所望かと思います。
昨今アンプシミュレーターやプリアンプの技術向上も相まって、そのまま鳴らしたい人もいるかと思います。
現に著名なプレイヤーでエフェクトアウトをそのままミキサー卓へ送ってライブやる人も増えましたよね。
また、昔はアンプで音を作ったのち、エフェクターで足りない部分を補正するような音作り手法でしたが、現代では足元完結で、アウトのキャビネットの音色補正としてヘッドアンプのEQをいじることがあるかと思います。
その為、使用アンプのフラットセッティングを知ることは必要な情報だと思います。
具体的にどうするの?
さて、今回は原音出力をキモに記載します。
多くのアンプで基本的には回路としてドンシャリ寄りに作られています。
元々のヘッドアンプ内のプリアンプ部の特性がそうなのでしょう。
それを踏まえ、ここではスタジオに良く置いてある3機種を例にセッティングの考察を致します。
各アンプのセッティング
Fende twin reverb
ベース : 1
ミドル : 10
トレブル : 1
元々特性が超ドンシャリですので、周波数としてのニュートラルはこれで果たせます。
これはあくまでプリアンプの特性であり、スピーカーから出力される時にはスピーカー特性の影響を受けます。
スピーカー特性として下は800Hz以下がなだらかな減衰、上は4kHz以上が急激な減衰を果たします。
ですのでスピーカー部を含めると
ベース : 3
ミドル : 10
トレブル : 6
この辺りに収束します。
Marshall
ベース:5
ミドル:10
トレブル:5
元々MarshallのアンプはFender bassmanのコピーでしたのでこれもドンシャリ寄りです。
前出のtwin reverbのスピーカーは後面開放型スピーカーボックスと呼ばれ、共振によっても減衰が生まれます。
対してmarshallタイプのスピーカーボックスは密閉型と呼ばれ、共振が抑えられ減衰も抑えられている。
その為上記のセッティングが概ねニュートラルなセッティングと考えて良いです。
JC-120
ベース : 0
ミドル : 10
トレブル : 4
ただしこれも電気回路としてのフラットです。
これも後面開放型で、実際はスピーカー特性を考慮すると
ベース : 3
ミドル : 10
トレブル : 6
この辺りに収束します。
最後に、パッシブ回路について
上記のアンプ達のプリアンプ部は全てパッシブ回路です。
パッシブ回路とは電源を必要としないことは楽器をやっている方ならお分かりかと思います。
パッシブ回路において、目盛は足し算ではなく引き算です。
パッシブギターで言えばトーンとボリュームをマックスにしている状態がニュートラルです。
決してノブを回しているからと言って、内部の運動は0目盛から10目盛方向へボリュームを上げているわけではありません。
下げられたものを元に戻しているだけの挙動です。
イメージとしては「0」が「−10」、「10」が「0」として扱うと分かりやすいかと思います。
ギターアンプのプリアンプ部も全く同じです。
つまりアンプビルダーにとってのニュートラルはEQフルテンです。
音作りにおいて困ったらフルテンからベースとトレブルを下げるようにいじってみるのも良いと思います。
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