2018年03月09日

ジャパンビンテージとの付き合い方

オススメのジャパンビンテージ取扱い


ギターのボディ材


これまでジャパンビンテージについて記載してきましたが、やはり特に優秀かつ重要視出来るのが日本の木工技術においてです。
そしてまだ資源に余裕のある時代ですので、贅沢な製作がされてます。
現在安価なギターで「バスウッド」を使用したギターが多いですが、昔の国産ギターにおいてはほぼほぼ「セン」を使用しております。

とは言え一つ覚えてもらいたいのが、決して「バスウッド」自体は悪い木材ではございません。
上質なバスウッドはハイエンドクラスのギターでも使われております。

そして「セン」もまた鳴りが悪いなんてことは言われておりますが、これもまた粗悪な国産製が量産されてしまったことから出た話だと思ってます。
実際の答えは「NO」で、優秀なセンボディのギターもまた沢山あります。

特に価値観として【安い=悪い】【高い=良い】というものがありがちですが
勿論それもあながち間違ってない価値観です。

しかし、安くて美味いものを誰しも食べたことがあると思います。
加えて安価な食材を使っても優秀なシェフの料理は総じて値段があがります。

ギターも同じで、人件費としての技術料が加味されているという点があります。

ハイエンドクラスのギターの価格というものは、優秀なビルダーと高価な木材が使われているのは間違いないのですが、原価計算上ギターの値段というのは曖昧なものです。

その上で選択する木材はケースバイケースであって、自分が望む音の指針に合わせて選ぶべきです。
その中で1970年台後半からのセンは、しっかりギター形状に合わせたものが存在します。

ピックアップや回路など

では電気系統はどうなのか?

これは個人的な意見ですが現代の方が主にピックアップに関して優秀です。

勿論枯れた音、というのは経年で生まれますので一概には言い切れません。
枯れた音はアルニコ等のマグネットが経年により磁力が弱まり生まれるものです。
ちなみにセラミックでは生まれません。

しかしながら現代のビンテージを模倣したピックアップは非常に優秀です。
さすがに同じとまではいきませんが、ジャパンビンテージのソレと比べると格段に上だと思います。

木工技術単体で言えば技術力は今も昔に負けておりませんが、「木」単体は当時の時間をかけた乾燥と経年により鳴りを備えた分、昔の物の方が優秀と言えます。

さて現代のギターはと言うと、勿論優秀なビルダーが作ったものを除き、機械乾燥から2週間〜3ヶ月の経過を果たした木材を使用してます。
つまりジャパンビンテージのボディに対し現代のピックアップを乗せ替えることで、理論上は理想的な配分になることがおわかりかと思います。

実際に僕個人は持っているギターにピックアップを載せ替えたものを使っています。

ジャパンビンテージ系のギターを弾いたことがある方はなんとなく伝わると思いますが、全体的にペケペケしてる印象です。

ソロトーンなどの抜けはとてもいいのですが、丸みの帯びた音というか、ローミッドの部分に関していささか弱いように感じてます。
そこを補う意味でも電気回りの改造はオススメ出来る使用方法です。

ジャパンビンテージはもうとにかく弦を張りっぱなしにしても一切ネックが反りません。
ボディも1P〜3Pで良く出来ています。

その個体はまだまだ現役ですので、さらに寿命を伸ばしてあげる意味でも使える手法だと思います。

折角本家のピックアップがバラで買える時代なのでね、おそらく昔の工場が辿り着きたかったであろうところへ今なら辿り着けます。
本当の意味でのコピー品の完成を果たしてあげるのも面白いんじゃないかと思います。

じゃあもう本家買えばいいじゃんって思うかもしれません。

それは勿論その通りです。

ただ、これは間違いなく言えるのですが
現代の10万円程度の本家と比較するならば
ジャパンビンテージにピックアップを乗せ換えたものの方が音がいいです。

現代のUSAとて確実に3Pのものは減ってますしね。

折角なのでさらに金属パーツも換装するとさらにいいのですが、問題があってハマらないものが多数です。

これは規格によるもので昔のものが悪いということではありません。
いや、悪いのもあるんですけどね。

海外では長さをインチ、日本ではセンチで表現する文化も相まってこれが互換性を下げる更なる要因です。
ジャパンビンテージや国産のギターはここが最大のデメリットでもあります。

現存してるBacchusのようなメーカーであれば替えのパーツも手に入りやすいんですがね。

ジャパンビンテージは個人的に最高ですがいざと言う時の維持費がかかることがネックです。

ちなみにポッド回りや回路のハンダ付は非常に丁寧になされていて今見ても綺麗です。

というわけで個人的に使用している手法の紹介でした。
オリジナルのままで使いたいロマン派の方には申し訳ない話ですが、改造を経て今っぽい音が出せて十分戦える個体に出来ます。
ちょっとでも個性を出したい人、さりげないオシャレしたい人へ是非ともオススメします。
ラベル:tips
posted by mugeek at 11:00 | Comment(0) | ジャパンビンテージ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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