ジャパンビンテージ
ジャパンビンテージとはなんぞや?
って思う方がいるかどうかはわからないけど、簡単に説明すると
日本国産のオールドギターですね。
だいたい1970年代〜1980年代前半までの生産が当てはまります。
人によってはただの中古だ
なんて言う人もいて、プラシーボ効果もあるのかもですが、僕はジャパンビンテージが大好きです。
勿論、メーカーや工場を加味した上で、ですが。
木材の成長
ジャパンビンテージの話を詳しくする前に、いわゆる中古にも当てはまる木材の性質について解説します。
木というものは成長します。
生えてる時からではなく伐採したあともです。
その後シーズニングという工程を経てようやくギターの木材として使用出来るようになります。
シーズニングというのはいわゆる木を寝かせる工程で、よく町中の土木屋さんに立て掛けられてるのもその一つです。
伐採された木はその環境に順応しようと、沢山の季節や湿度、温度を感じながら体で覚えようとしてくれます。
「俺の体は今が一番ベストなんや!」
って状態になろうとしてくれます。
できれば何年もシーズニング期間を与えてあげると、木は安定します。
最近は人工乾燥機で乾燥したのち、数ヶ月馴染ませたら木材としてしようすることもありますが、生産量の増加のため新しい手法で各工場取り組んでます。
しかしながら高いギターはやっぱりシーズニングにめちゃくちゃ時間をかけたものを使用してます。
よく安ギターなんかでネックがどんどん反っていくギターあるでしょ?
あれなんかは元々の木材の弱さもありますけど、明らかにシーズニング不足。
弦が
「こっちへおいでよ」
「そっちじゃないよ」
なんてライアンを井戸に誘うホイミンばりに木材に話しかけます。
そうするとシーズニング不足の若い木材は
「あ、そっちッスね、りょうかいでぇーす」
って藤森慎吾ばりに向かってっちゃう。
それで余計にどんどん曲がってっちゃうのね。
ところがシーズニング期間を多量にもうけた木材なんかはね
もう高倉健ばりの渋み
「自分不器用ですから」
なんて言って動かざること山のごとし
弦ちゃんの、星野源ちゃんの言うことなんて全然聞いてくれやしないんです。
人間と一緒で老人の頑固な方は人の意見よりも、自分の信念を貫きます。
その人の経験によって判断されているものですよね。
木材も一緒。
シーズニングは人生経験値を与えて判断を一任します。
それによって強い木材が誕生します。
さて、表題のジャパンビンテージとどう関係があるのかと言うと
現代では大量生産によってシーズニング工程が新しくなってる話は上記でお伝えしました。
それでも高いギターはシーズニングをしっかりしたものを使用していると。
ジャパンビンテージと言われる時代の木材は、大量生産する必要もなく、そもそも今のような最先端システムは存在しません。
加えてまだ木材も余っていた時期で、シーズニング済の木材を得ることが容易でした。
その為ジャパンビンテージの作業工程上、木材の取扱いだけで言えば現代の高いギターと同じレベルでの取扱いを、結果的にしていたということです。
もっといえば、現代の高いギターは
『昔ながらの製法』
っていうネーミングブランド有りの製法ということにもなります。
以上のことから、木材のモノ自体は一先ず置いておいて、当時の木材の管理、取扱いに関しては現代においても群を抜いて優秀だったのです。
まずその点だけでも価値のあるものと理解しましょう。
長くなりましたが次回ジャパンビンテージ木材の種類において。
でわでわ。