弦落ち
まず最初に伝えたい。
そこのカートコバーン好きな君。
田淵ひさ子に憧れて透明な少女になりたい君。
ジャガーとジャズマスターは弦落ちするぞ。
必ずするぞ。
弦落ちってのは、いわゆるサドルからズレたり、1弦がフレットから落ちたりするアレですね。
その結果音が途切れる。
ジャガーとジャズマスターのサドルはネジ頭のないネジみたいなやつで、弦が乗る専用の溝があるわけでなくネジに乗っかってるだけなのでズレやすいんすよね。
特にジャガーはショートスケールなんでもう酷い。
テンションがゆるいからね。
弦落ちはまともに演奏なんて出来ないレベルなので、普通は対策をする。
それかもうジャガーとジャズマスターは使わない。
この選択肢しかない。
でも君は買いたいらしい。
だから買う前に色々把握しとこう。
そもそも設計ミス?
1958年ジャズマスター発売
以前ブリッジミュートについての記事でも触れたんすけど、Fender社がストラトを最初にリリースした1954年時点では、弦のゲージが13-54のゲージだったんすよね。
んで、ジャズマスターが発売されたのも1958年でまだまだ13-54のゲージだったんすよね。
だから張力がバリッバリあるので、サドルがただのネジでも全然抑えこめたんすよね。
その後ジャガーが発売されたのが1962年で、その時代でもまだ13-54のゲージ。
ようやくライトゲージが誕生したのが1968年。
ただし、そのライトゲージも12-50というゲージなんすよね。
ソリッドギターというものが誕生して約70年で実は歴史が浅くて、50年前ですらまだそんなゲージ。
そんななかで音を歪ませたり、そこからロックが生まれたり、BPMが上がったり、メタルが生まれて速弾きが生まれたり、でようやく今のゲージが誕生するわけ。
てか未だに新たなゲージ発売されるしね。
ってことで、ジャガーやジャズマスターの弦落ちって割と現代の音楽のジャンルが発展したことによって生まれた現代病。
弦落ち対策
太い弦を張れ
ってことで、弦落ちしちゃうなら本来のゲージ張っちゃえばいいじゃん。
13-54あるいは12-50張っちゃおう。
当時ジャズマン達のエレキギターはレスポール使用者が多かったんですよね。
それに対抗して誕生したのがジャズマスター。
よし、ジャズやろう。
え?違う?
バズストップバー
ジャズやんない?しゃーないロックやるか。
弦が細くなっちゃって張力が足りないなら足してやればいい。
ブリッジからサドルに向かう弦に角度を付けることで張力を足すのがバズストップバー。
これによって太い弦と同じような張力が発生し、サドルを抑えつけて弦落ちを防ぐって仕様。
ちなみに米津玄師さんが使ってるジャズマスターはINORANさんのシグネチャーモデルで、販売時から元々バズストップバーで張力を稼いでます。
音の変化としてはややブライトになるのと、演奏性としてもテンションがあがるので若干弾き難くなります。
ムスタング用ブリッジ(サドル)
溝がないなら作ってやればいいじゃない。
ってことで、一番対策としてやってる人が多いのがこれ。
ムスタング用ブリッジに替える。
ブリッジって言ってるけど、何もブリッジごと変えなくてOKです。
サドルだけ変えれば大丈夫。
安価なのはバズストップバーなんですが、やっぱり演奏性と音が変わるのでこの変更を好む人が多いです。
既にこの変更がされた状態で販売されてるギターも多いです。
ただ、ジャガーに関してはショートスケール(610mm)なのでジャズマスターのレギュラースケール(648mm)よりそもそもテンションが低いんですよね。
なのでジャガーは更にバズストップバーも合わせてカスタマイズしてもいいかもしれません。
まとめ
ほかにもカートコバーンみたいにレスポール用のブリッジ穴開けてとりつけるとか、マスタリーブリッジってものを取り付けるとあるんですけど、結構敷居が高いので中々手を出しづらい。
正直、太い弦を張れ!とかはふざけましたすんません。
バスストップバーとムスタングサドルが容易に出来る弦落ち対策です。
とりあえずサドル変えてみて、まだ足んねぇなって思ったらバズストップバーも取り付けるとか、またはその逆の手順で組み合わせていくのが吉。
あとはもう自分の好きなアーティストの対策を見て、真似しちゃえばいいですよ。