アリアプロU LS600
先日購入した、Aria ProUの77年製レスポールのご紹介。
以前書いたマツモク工業という記事にてAria ProUについて触れてますので良かったらご覧ください。
というわけで言わずもがな、マツモク製のこいつ
外観はとても良く出来たコピーモデルだと思います。
Gibson社と比べると、ややボディが小ぶりなような気もします。
総重量はほぼ4kg
ちなみにGibson社が推奨しているレスポールの重さも4kgです。
カタログによるとトラモクのメープルトップ&マホガニーバックらしいです。
いわゆるパンケーキ構造のボディ
Gibson社は木材が手に入らず70年代苦肉の策で選んだ製造方法なのに、それをそのまま真似しちゃうところがジャパンビンテージ
ちなみにカタログではパンケーキ構造をラミネートボディと表現してて、なんかかっこよく言ってる。
そしてヘッド
77年製ですので、本来Les Paulと書かれている部分に何も書いてませんが、のちにAria ProUではLeo Pardという文字が入りレオパードシリーズなるものもあります。
ヘッド裏で、80年からはここにシリアルが入って年号を把握できるのですが、77年のものには入ってません。
さて、ではなぜ77年とわかるのかですが
このピックアップを見てください。
ディマジオのようなポールピースのこいつ
Aria ProUで開発されたEXTRAシリーズのEXTRA-1というピックアップなのです。
また78年、79年のEXTRA-1はポールピースが一般的な芯のやつで、ディマジオの模倣してるEXTRA-1は77年だけ。
この頃Aria ProUでは同じ見た目のディマジオ SUPERUというやつを上位機種に付けてました。
ワンチャンSUPERUだったらLS600じゃなくてLS700だなぁと思いながらピックアップを見てみましたが
残念、ディマジオではありませんでした。
というわけでやはり77年のLS600
ところで、ピックアップを取り外しますと、ネックジョイントに注目
これはマツモクお手製の、セットネック+ネジ留めのディープジョイント。
ディープジョイントは賛否両論あって、ヒスコレくらいでしか最近では見かけないですね。
Gibson社はサスティンや剛性アップがディープジョイントで生まれると言っていますが、個人的には剛性アップは認めるけどもサスティンはピンとこないですね。
そして、このビス留めはおそらく更なる剛性・耐久性を加味してのこれでもか!というマツモクのオリジナル技だと思いますが、完全なコピーを求める方にはマイナスかもしれませんね。
ただ、世界的にのちに有名になるAria ProUのPEシリーズもこのジョイント方法であることを忘れてはならない。
ほんと丈夫なので、実は理に適っていて、拘らなければメリットも大きいと感じでいます。
体感ではネックの鳴りがボディに振動してないなと感じてしまいますがね。。。
さて、最後に回路部分
Aria ProUのカタログにおいて、P.C.ボードと呼ばれるオリジナル回路(サーキット)
そのままカタログの宣伝文句を引用すると
PROUだけのP.C.ボード
V.T.回路は、P.C.ボードでワイヤリングされ、シールド効果は確実になり、ショート・断線などのアクシデントを排除した安全設計で、PROU独自の技術です。
とのことですが、なんのこっちゃV.T.回路は、P.C.ボードでワイヤリングされ、シールド効果は確実になり、ショート・断線などのアクシデントを排除した安全設計で、PROU独自の技術です。
シールド効果ってのはノイズ出ない対策ってことですね。
つまり、ノイズもショートも断線もないぞってことでしょう。
でも、結局このオリジナル回路()笑はのちに使われなくなっちゃうので、つまりはそういうことでしょう。
実際に上記のようなメリットが見込めたとしても、一部壊れたら全とっかえする必要があるし、オリジナル回路なんてものは聞こえはいいけどリペアマンがお手上げの場合があるのでね、なんなら今壊れたらAria ProUの工場にも在庫がないでしょう。
そういう意味でもこの回路に理点を見いだせないですね。
ただ、ネックジョイントの方法といい、回路の設計といい、より現場向きにマツモクが開発を頑張ったんだなって歴史を感じれて嬉しいですね。
長いツアーに出る際の耐久性を考えて作ったんだなと思います。
というわけで、これからこいつをどんどん改造していこうと思ってます。
状態も良いのでいじっちゃうのは勿体ない気もするんですけどね。
改造したらまたアップします。