2018年07月20日

ポリウレタン塗装とラッカー塗装の比較と違い

通常ギターの塗装は大きく分けて「ポリウレタン」「ラッカー」の2種類です。

ラッカーは薄くて音が爆鳴りだぜ、ヒャッホオオオオオ!!!って声が昔からよく聞かれますね。

でも、Gibson社がラッカー塗装にこだわり続けている中で、ある時期からFender社は上位機種も含めポリウレタン塗装に移行しているわけで

メリット・デメリットを含めると、一概にどちらが良いとは判断しにくいのです。

朝はパン派か、お米派か、みたいなもんじゃないのかなぁ

ラッカー塗装


いわずもがな、塗装が薄いんですよね。

んで、完全硬化することはなくて、分かりやすく言えば塗装が生きてるっていうといいのかな。
ラッカーにはシンナーが含まれていて、それが永続的に揮発し続けるっていう

乾かすって作業で言えば、洗濯物と大差なくて
とにかく100年かかっても完全には乾かないのがラッカー

その辺はややこしいのでスルーして頂いて、とりあえず完全硬化しないってことが重要で
空気の通り道があるんですよね。

結果、木材が外気の影響を受けます。
ってことで、木材が成長を続けるなんて言いますね。

ただ、完全に乾かない以上、皮膜はとても柔らかく傷に弱い

そして材は生き続けているので、経年劣化は激しく
しわっしわのおじいちゃんのようなシワが将来発生します。
勿論色味も変わります。

ポリウレタン塗装


まず、塗装が厚いなんて言われますが
同じポリ塗装のポリエステル塗装が分厚い塗装であって
ポリウレタンは一概にはそうとも言えないです。

ポリウレタンの塗装もラッカーと同じで

薄く塗る⇒乾かす⇒薄く塗る

を繰り返して吹き付けるのですね。

一度に多量に吹き付けると硬化不良を起こすんですよ。
なので、実は厚塗りが得意ではないのです。

ラッカー塗装より薄いポリウレタン塗装も沢山あります。

とはいえ、ウレタンにも厚い塗装されているものがあるのも事実で
これは研磨不足が理由だったりします。

ポリウレタンは完全硬化するので、傷にとても強く、外気の影響も受けません。
その為、メンテナンスに神経質にならず済むのは助かりますね。

また、塗装に時間がかかるとはいえ、やはりラッカーよりは早いのでコストが抑えられます。

ラッカー塗装神話

ラッカー塗装が素晴らしいと称賛される理由に
ヴィンテージギターがラッカー塗装であったことが言えます。

1950年代はそもそも塗料がラッカーしかなかったので、ラッカーにならざるを得ないんですがね。

で、当時のギターってとにかく木材が良いんですよね。
材質がいいので音が良い。

結果、ヴィンテージギターは音が良いので

ヴィンテージで用いられている仕様は素晴らしい=ラッカー塗装は素晴らしい

なんて思考にたどり着いてしまうわけですね。

元の木がとんでもなく良いというヴィンテージギターの重要な要素を無視して、ラッカー至上神話が生まれたところはあるんですね。

そんな中、材の質の悪さをポリウレタン塗装で隠すメーカーものちに出てきてしまい、よりラッカーの印象は良くなりポリウレタンの印象は悪くなっていったという歴史的背景があるわけです。

ただ、そういった意味で言えば、オールドラッカーに勝るものはないのです。

実際どっちがいいのよ

ラッカーは木材が呼吸を続けるので、木材が成長を続けるという点ではラッカーに勝るものはありません。
いくら扱いが難しいといえどね。

ただ、現代の木材を使用して、どこまで成長するのかは甚だ疑問ではありますが。

また、艶っぽい光沢のないラッカーらしい見た目はラッカーにしかないですよね。

個人的には、こと日本、またアジアで使うのであれば、ポリウレタン一択です。

これだけ湿度も高く一年を通して気候が変動する国においては、外気の影響を受けやすいラッカーは気難しいところがあります。

逆にアメリカでは、ラッカー塗装のギターを慎重に扱ってない人も多く
人柄もそうですが、やはり気候が大きいですね。

イチローがメジャーリーグ行った際に、バットを調湿剤を入れたジュラルミンケースに入れて持ち運んでたんですね。
で、向こうのメジャーリーガー達は、「なんだそれはHAHAHA!!」ってなったわけです。

日本人のバッターは割と、その辺の扱いを慎重に行うのに対し、
向こうのバッターたちは、バットをそんな保管の仕方をしてなかったからですね。
というか、する必要がなかった、というのが正しいと言えます。

ラッカー塗装にも同じことが言えます。

同じ極薄塗装であれば、私はポリウレタンを日本では推していきたいですね。

ポリウレタンとラッカー塗装の見分け方
ギター・ベースのポリ塗装 ポリウレタン/ポリエステル


posted by mugeek at 15:00 | Comment(0) | リペア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月07日

ギター・ベース塗装における下地剤について

はじめに


専門的な話なので素人がマネしようとすると意外と失敗しちゃう塗装。
思っているよりも塗装って薄いんですよね。

なので後から修正しようって考えだとまず失敗する。
上からラッカーで埋めようとか、ヤスリであとで整形しようとか。
それって正直無理な部類です。

0.5mmの傷をラッカーで埋めようとか
0.3mm厚く塗っちゃったからあとでヤスリで平らにしようとか

ラッカーで0.5mmって相当な厚さですよ。
厚く塗った部分をヤスリで削ってたらその周りの薄い部分は確実にハゲる。

なんでこう決めつけてるかと言うと

過去何度も失敗してきました(キリ

勿論修正出来る範囲はありますよ。

ただ液だれとか起こしたのは厚すぎるので不可能だと思います。
まず乾くのに相当日数いりますしね。

とにかく重要なのは、下地!
吹き付ける前の準備が超重要。

バンドもドラムが大事でしょ?
やっぱり土台がクオリティに左右するのです。

下塗り塗料


おおまかに楽器の塗装において下塗り塗料は4つだけ抑えておきましょう。
塗装業界ではもっと細かくありますが、楽器に関しては4つ。

・プライマー
・サーフェーサー
・プラサフ
・フィラー


◆プライマーとは
塗料の密着性を高める下塗り塗料。
例えば直接木材にラッカーを吹き付けると木がラッカーを吸っちゃうので、木にも良くないし何より直接吹き付けは木が吸い込みを止めてようやく塗料が重なっていくので、何度も何度も吹き付けないと目的の色が出始めない。
pura2.jpg

◆サーフェーサーとは
通称サフ。
基本的にプライマーのあとに塗る塗料。
まず役割は目止め。所謂細かい傷を全て埋めて平らにする役割。
そしてサフにはのちに吹きかける塗料の色味を出すための役割もあります。
大きくサフは3色あって、・ホワイト・グレイ・ブラックです。
重ねる塗料の明るさに応じて対応したサフを吹きかけます。
sahu2.jpg

◆プラサフとは
超便利なプラサフ。
その名の通りプライマー+サーフェーサー。
目止めも出来て塗料の吸い込みを抑える優れもの。
そして経済的。
ただ意外とギター制作の現場であまり使われない。
プライマーもサフも吹き付け後ヤスリがけしますのでね。
一回でまとめようとするとどうしても厚くなりがち。
ただ、こだわらなければ有用です。
purasaahu.jpg

◆フィラーとは
木材の凹凸やひび割れ、巣穴を埋める役割。
実際の成分は違うのですが日本では「との粉」というものがフィラーとして扱われています。
サフと同じく目止めの役割があるのですが、サフよりも凹凸が激しい場合に使われます。
fira.jpg

フィラーはそれでも万能ではなく、しっかりした傷に関してはパテを使用した方がいいです。

まとめ


全て順番に行う場合
all.jpg
図のような形が正しい形になります。

実際はもちろんこんな直線ではありません。

ただ、まずはとにかく平らにする準備が大切です。
傷が大きければパテ、指先で気になる程度の凹凸はフィラー、より繊細な凹凸はサフのイメージでいいでしょう。

もちろん、それぞれ各下塗り塗料を吹きかける際のヤスリがけは必須です。
下地の番手は#400番が丁度良いと思います。
すごく巧く吹き付けられてたら#800番なんかでもいいと思います。

塗装はとにかく忍耐と我慢が大事。
posted by mugeek at 15:04 | Comment(2) | リペア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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