アナログエフェクター
アナログのエフェクターの回路構成には基本的に
・ICオペアンプ
・ディスクリート
上記2種類で回路を構成しています。
このどちらが優れている論争は未だ絶えず行われていますね。
BOSSの「OD-1」の回路がオペアンプICに対し、「OD-2」は「OD-1」をディスクリート回路でモデリングしたという話があります。
で、結局世間ではOD-2は売れたものの、現代において値段が高騰しているのはOD-1ですね。
実際の音がどうなのかと言うと、
OD-1は温かみがあって雑味もあるんだけどなんだか太い、但しノイズも出るし音が塊のよう。
OD-2はサラッとしていて分離感が良くノイズが少ない、但し太さ温かみはOD-1に劣る。
この2台の差が回路による音の差を分かりやすく表している気がします。
オペアンプIC
ICって何よって思いますが、ICとは集積回路のことです。
さらに集積回路って何よって思いますが、細かい横文字に拒否反応を示すギタリストに分かりやすく言うと
オペアンプICとはカレー粉です!
カレー粉を自分で作ろうとするとスパイスやハーブ、を最初から炒めないと作れませんね?
集積回路で言うとトランジスタやコンデンサというスパイス&ハーブを炒め済みなのです。
それをギュっとコンパクトに使いやすくまとめたものが市販のカレー粉です。
本来、ICとは「良く使う機能」「バラで作ると大きくなるもの」を一個にまとめたものをさします。
その為使いやすくコンパクトになっているのです。
玄人がよく「これは〇〇のオペアンプで・・・」とか「この時代のTS808は〇〇のオペアンプで良い!」とか言ってますけど
「カレーはバーモンドが最強だろ!」
「いやいやいや、エスビーこそ至高・・・ッ!」
とか言ってるのと同じことです。(え?違う?)
そして同じカレー粉使ったからと言ってすべての家庭で違う味を出しますからね。
同じオペアンプ使ったって各メーカーの音は違いますよね。
この辺がオペアンプICで作られたエフェクターです。
ディスクリート回路
上記の比較ですから、対してはもうお分かりかと思います。
そう
ディスクリート回路は1からスパイス&ハーブを炒めます!
ディスクリートとは日本語で「分離」を意味します。
メリットは一つ一つのパーツをこだわって選定出来ることです。
デメリットは集積していないので、完成品が大きくなりがちです。
ミキシングエンジニアが鉄板で使う、ハードコンプやEQのオールドのNeveやAPIはディスクリート回路です。
制作者自身で回路を組み上げていく作り方なので、無駄が少なく、音色の傾向としては原音に対して忠実に味を付けていくものになります。
スパイス&ハーブを徹底的にこだわりぬいたカレー屋のカレーが高くなるように、基本的にはディスクリート回路設計は高級になりがちです。
だからといって必ずしもディスクリート設計が高音質かと言うと、確かに高音質にはしやすく、オーディオ的な目線で見れば高音質です。
現にミキシングやマスタリングでは何十年も重宝されているわけですし、入力された音色ソースを壊さないという点でみても高音質です。
ただし、高音質が正解かと言うと必ずしもそういうわけではありません。
ギタリストの良い音、アンサンブルにとっての良い音、それはまた違うからです。
原音がちょっと痩せたり、なんか雑味が足されて良い倍音感になったり、ローがちょっと削れたり、または膨らんだり
エフェクター使ってみて感じたことがあると思います。
それらが絶妙に絡み合ってギタリストの良い音が決まる為、本日でもオペアンプICで作られたアナログエフェクターは重宝されているのです。