2018年05月10日

最適なエレキギターの弦高とは?

弦高とは?


gennkou.jpg

どうですか、弦高に悩んでないですか?

人の悩みは朝食の献立から、はたまた朝はパンにするかお米にするか、悩みは幅広く尽きないですね。

そんな人生の悩みの一つ『弦高』

そもそも、弦高とは「弦とフレットとの隙間の距離」のことを指すわけですが、
まぁ基本的には大体12フレットにおける高さ、って言われています。

弦高の高さを決めるのは3要素あります。

『ナット高さ』
『ブリッジのサドルの高さ』
『ネックの反り具合』

これらの上で弦高が高いや低いや丁度良いや、あるいは眠い暑い臭いやなんやかんやが決まるんですね。

僕は楽器を始めた時に、メイビスとかいう現代のマイルドセブンみたいな名前のイシバシ楽器製ベースを使っていたんですが、これがまーーーーーーー酷い。
もう弦高高くて、ネックが反る反る反る。
イナバウワーかメイビスのネックかってレベル。

だから弦高が低いのにめっちゃ当時憧れたし、当時から最近まで弦高低いの最強論を唱えてたんだけど、どうやらそうじゃないらしいとようやく気付き今タイピングしてるなう。

弦高の基準値幅

よく弦高が高いとか低いとか言われますけど、ぶっちゃけ基本的には「主観」ですよね。
弾きごこちやフィンガリングのしやすさなど、人によって体格も手の大きさも握力も個人差があるので丁度良いバランスは千差万別です。

例えば、体格の良い海外のアーティストなんかは意外と弦高が高い人多いし、あの速弾きお化けのイングウェイですら弦高が高い。
対して、華奢で手の小さい日本人の女性アーティストなんかは弦高が低かったりします。
でも、当人からしたらベストなバランスなんですよね。

まぁでも一応、数値上の基準値はあって
・1弦=1.0〜2.0mm
・6弦=1.5〜2.5mm
の中で収まることを基本としてます。

高めの弦高

じゃあ高めの弦高って具体的にどのくらいなのよ?
ってお思いのあなた。

わかります。
僕もそう思います。

最近では「NOT低め=高め」のような風潮が現代ではありますよね。

上記、基準の中央値からMAX幅で見ると
・1弦=1.5〜2.0mm
・6弦=2.0〜2.5mm
となります。

厳密に言えば指板のRに対して変わってくるのですが、その話はまた今度。
例えばESPでは高めを「1弦=1.5mm,6弦=2.0mm」を定義してたりします。

しかしながら、「高め=悪」だと思っていた若かりし頃の自分に言いたいのが、高めにもメリットが沢山あるぞと。
ネックの順反りが必ずしも悪じゃないぞと、そういいたい。

高めのメリット、デメリット

まず、一般的には張りが出ると言われていますね。
これ非常に曖昧な言葉だと思うので少し補足。

あくまで弦振動によって音が発生しているので、正しく大きく振動させることによって密度の多い音になります。
どんな音も実音と倍音によって音は構成されていますが、振動を大きく取れることでそれらの音のロスが格段に減ります。
つまるところ張りのある音に繋がり、ローミッドなどに欠損がなく、ふくよかな音が出ます。

結果、音ヌケが良くなり前に出る迫力のある音になります。

奏法としてはコード弾きや、音の切りやすいカッティングに向いています。
低めの弦高のコードはルート音が広いづらくて、人によっては歌いづらいでしょう。

対して、デメリットとしては当然弾きづらくなります。
弦の張力が増して弦が硬くなったような感覚になります。
その為、押弦が低めより困難です。
速弾きやチョーキングにはマジで適してません。

追記
コメント頂きました。ありがとうございます!
デメリットとして、弦高が高いと押弦が強くなるので音がシャープしてしまうという問題ですね。
これはもうフレットを持つ楽器において、ついてまわる問題ですね。
オクターブチューニングをしっかりしている前提で、概ね誤差ではありますが、あとは奏者の技量に任せるしかない状況で、そういった意味で奏者依存が高くなるというのもある種デメリットかもしれませんね。


低めの弦高

年々弦高の低めは下がってきています。
これはネックの進化で、ビンテージ系の指板はRがあるんですよね。
Rというのは1弦〜6弦にかけて湾曲しているカーブ具合のことです。

対して現代のギターは指板がフラットだったり、様々な特殊な指板があったりして、以前なら下げ過ぎると音が詰まったりビビったりしていた弦高の低さも対応できるようになりました。

具体的には
・1弦=1〜1.2mm
・6弦=1.5〜1.8mm

くらいですね。
多少のビビリが発生するかもしれませんが、アンプからの出音が良ければ問題ありません。

低めのメリット、デメリット

も〜〜〜〜とにかく弾きやすい。
これに尽きます。
運指はしやすいし、高速なソロフレーズが弾きやすいです。
タッピングなんかも弾きやすいですね。

当然、弦の張力は弱くなり柔らかく感じます。

対してデメリットは、弦の振動スペースが減る以上、どうしても弦の振動は殺さないといけません。
したがって密度は薄くなりどちらかと言えばハイの出る音になります。
(だからこそ、そのデメリットを補う為、速弾きのギタリストでEMGなどのピックアップを使う方もいます)

あとサスティーンは稼ぎづらいですね。

結局どっちがいいの?


一言で言ってしまえば好み!!(どーーーん!)

もう高速なソロを弾きたい人は弦高ベッタベタが最強だろうし、歌モノでコードストロークする人はある程度弦高が高い方が良いでしょう。

ただ、なんかね、僕は大人になるまで、ギターを買ったらなんでもかんでもまず速攻低めにセッティングしちゃって、このことに疑問を持ってなかったんすよね。
それでアンプだエフェクターだに「もっと太く!」なんてことを求めて買いあさってた時期があったんですが、弦高の調整だけでそのストレスから大きく開放されました。

なので、いがーーーいと弦高一つで君の問題は解決できることなのかもしれない。しらんけど。

今の時代、情報が多くあるのでいないことを願いますが、私と同じようなループに苛まれている人に届いたらいいなと思います。
posted by mugeek at 08:00 | Comment(2) | メンテナンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月05日

ギターボディの手入れTips

ギターボディ手入れ


普通に使ってる分にはクロスで十分なんですよね。
汚れてきたらポリッシュを使うとなおよし。

ただ色々手入れを教わってきましたが、周りのクラフトマンやリペアマンいわく頻繁にはポリッシュを使うな!
なんて教わってます。

ものによっては研磨剤が含まれていたりするので、それでやりすぎるとどんどん塗装削れますしね。
また研磨剤が含んでなくともワックス剤が入ってるものだと、どんどん厚くなっちゃいますしね。

ちなみにボディに直接ポリッシュを吹きかけるのはNGです。
溶ける可能性もありますしなによりムラができやすい。

しかしながら、もうどうしようもなく汚れてるものってありますよね。
もうこうなったら液体コンパウンドです。

しかもクルマで使われてるようなやつです。

以前リペアマンから直に教えてもらいましたが、ごくごくスタンダードな手法らしくて彼らは必ずと言っていいほど使うようです。

楽器屋にコンパウンドなんて売ってませんから知らない人が聞いたら驚くかもしれません。
僕は若かりし頃驚きました。

液体コンパウンド

コンパウンドって?って方がいるかもしれませんので簡単に説明。

一言で言うと研磨剤。
微粒子のヤスリですね。

ポリッシュの研磨剤はあかんのちゃうんかい!
ってお思いの方もいると思いますが、もちろんその通りで塗装を剥がす行為です。

一枚脱皮させてやるような感覚ですね。

ただしコンパウンドは3段階に分けてムラなく薄く丁寧にやりますし、何より頻繁にはやりません。
ポリッシュは割に頻繁にやりがちでしょ?だからだめなのです。

さてヤスリに番目ってありますよね。
コンパウンドの番目ってミクロン表記で分かりづらいものもある。
これまた個人的な資料目的でちょっとまとめたくなったので良かったらご参考下さい。
#1000:16μ
#1200:12μ
#1500:10μ
#2000:9μ
#2500:6μ
#3000:5μ
#4000:3μ←コンパウンドはこの辺から下
#8000:1μ
#10000:0.5μ←コンパウンドで鏡面仕上げタイプ
μ:ミクロン(数字は大体です。)


有名なSOFT99の液体コンパウンドに「キズ消し用3000」って書いてありますが、後ろを見てみると3μって書いてるので4000番手に値します。

ですので打痕などが気になって4段階くらいかけて丁寧にやりたい人は、紙ヤスリ#3000スタートでやっていくと良いでしょう。

ちなみに#2000番手は経験上、傷感が出ますのでオススメしません。
根気よくやれば消えますが、たぶん後悔します。

以上ボディの手入れTipsでした。
posted by mugeek at 21:58 | Comment(0) | メンテナンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月03日

歌と曲の違いを考察

ある日突然


「あの歌良い歌だよね」

「昨日のテレビであの歌聴いた?!」

こんな会話を小学生の頃、したり聞いたりしたことが誰しもあると思います。


あれ?


いつから「歌」って呼ばなくなった?

「あの曲良い曲だよね」

いつから「曲」って呼び始めた?

おそらくは音楽が好きでヘビーリスナーになったり、ライブハウスに通ってみたり、楽器を始めてみたり…
いろんな理由があると思うけど、気がついたら「歌」呼ばわりをやめて「曲」と称するようになったりします。

だから何?って言われそうですが、個人的にはとてもここに盲点が潜んでいると考えています。

ちょうど世間がザワついた時

音楽的と関係のない人と世間話していた時のこと

僕自身は興味ない話題だったのですが、ベッキーの話題をその人はしてました。
そこで気になったことがあったので質問したんです。

「そもそもゲスの極み乙女って知ってるの?」
「え?歌の人でしょ?知ってるよ〜」


は?!


歌の人!?



僕は衝撃を隠せませんでした。
アーティストとかバンドとか称するのであれば理解出来るのですが、歌の人呼ばわり。

別にその人が悪いんじゃありません。

なんたって音楽はたまに聴く程度の方ですから。
その人自身もCDを買わない人なわけでもないんです。

なんてこったい。

僕自身が当たり前にしてきたカテゴライズはライトリスナーにとっては全て一緒くたなのではなかろうか、と思い始めました。

それから

テレビでウーマンラッシュアワーの村本さんも

「歌の人やから」

とか

ダウンタウンの松本人志さんも

「その歌の人知らんしぃー!」

とか

意外と言っていて
※ワイドナショーと水曜日のダウンタウンだった気がします。あと松ちゃんは多分わざと。

「歌」と称する大人も意外と多いという事実に気が付いたんです。

確かにうちのお母さんも「歌」って言うなぁとか、意識しだしたら沢山溢れてた。


楽器やってると「歌」って声な気がしますよね。

singの部分であってsongではないみたいな。

ただ、上記のようにリスナーの中にはそうじゃない解釈として聴いている人がいるのもまた事実。

確かに楽器やってない人にはリフの差は伝わりづらいわけで、別に自己満足なんだけども、そこまで伝わってないのか!と「歌」呼びする人に対して思ったんです。

でも、考えてみたら売れているポップソングやバンドの曲ですらも

・サビ始まり
・サビ終わりすぐAメロ戻り
・間奏無しでCメロに置き換え

こんな構成の曲多いですよね。

そもそも音楽やってない人とカラオケ行くとよく間奏早送りしてるし。

そう、実はそこまで間奏や演奏部分に需要がないのです。

いくらキャッチーでも間奏長い曲は歌ものであって「歌」じゃないんですよね、その人達からしたら。

もちろんライブハウスに来るようなお客さんは別ですよ。
需要と呼ぶには悲しいけど小規模ですし。


「歌」と「曲」の違いを考察するとリスナーとプレイヤーの壁を確かに感じます。

演者として譲れないものはあっていいと思うんです。
需要準拠しちゃったら全部同じものになっちゃうし。

ただ誰かに音楽を届ける以上、こんな事実もあるよって知っておくと少し動きやすくなります。

売れたい人はその事実を多少意識しつつ活動してみてもいいし

「なんで分かってくれないんだ!」
って悩む人はそもそも上記のような事実を認識して
「そりゃわかんねぇよな」
って開き直っていいと思いますし

「歌」と「曲」違いはシステマティックに解析したらそりゃ大きく違いますけど、マインドの差がもっと拡がってくれるといいなと思います。
posted by mugeek at 15:12 | Comment(0) | 挨拶・雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
スポンサードリンク