2018年03月30日

Fender Japanの歴史-1982年〜1997年(第一期)-

Fender Japanの誕生の経緯


当ブログにおいて散々ジャパンビンテージについて記載してきましたが
それと密接に関係のある「Fender Japan」
残念ながらフェンジャパで親しまれたこのブランドは2015年4月をもって幕を落としました。

前回のブログで東海楽器がFenderに訴訟を起こされ営業停止になった話などを書きましたが
日本はコピー品を作って販売していたため本家の逆鱗に触れておりました。

しかしコピー品の完全な駆逐は出来なかった米Fenderは日本国内の楽器製造の話を日本へ持ち込むことにしました。

と、公式には言われておりますが、もちろんコピー品をなくすという目的もありながらも元々米フェンダーは安価なモデルを流通させる為の工場を探しておりました。いわゆる当時のスクワイアなどがそれに当たります。

ですので一度中国に話を持ち込んでるのです。
今でこそ中国の品質も世界的に優秀になってきてますが、当時はまだ品質的に及第点を超えることにならず、改めて日本に話が持ち込まれた形です。

当時の人件費を見ると日本委託で安価に生産できる時代だったためですね。

Fender Japanの誕生は1982年ですが遡ること1980年
フジゲンは「スーパーリアル・シリーズ」という本家を完璧と言っていいくらいに真似たシリーズを作り始めます。スーパーコピーみたいな話ですが、そういう時代だったのです。
※余談ですがフジゲンは1981年にNCルーター(木材加工機)を導入します。つまるところ1980年まで機械化せず、さらに同年スーパーリアル・シリーズ。もうお分かりですね?

翌1981年、神田商会が米FenderからついにFender Japan構想の打診を受けます。

当時Grecoブランドを委託していたフジゲンへ神田商会は話を持ち込みます。
ここでフジゲンは「スーパーリアル・シリーズを頑張りたい」という意向の元、一度は話を断るのですが神田商会の説得の上で承諾します。
※断られたあとご近所さんのマツモク工業へ次は話をもってく予定だったみたいです。

さて神田商会とフジゲンのタッグはその時点でGrecoブランドを作っていたわけで、先述のスーパーリアル・シリーズもGrecoの物でした。
そんな中Fender Japanへと移行することとなった経緯も相まって、NAMMショウにてGrecoのロゴを剥がしFederのロゴに張り替えて出展するということになります。

コピー品が本物のロゴを張られる時がここで誕生しました。
ちなみに大絶賛だったそうです。

Fender Japan誕生


そんな歴史的背景の元
・フジゲンとフェンダーの共同子会社
・出資は山野楽器と神田商会
という形で1982年、日本法人のフェンダー・ジャパンが設立されました。

設立後、安価なモデルをスクワイア、ランク上の物をFender Japanとしフジゲンが製造することとなります。
一番ジャパンビンテージとして価値の高いころですね。

結構勘違いされておりますが、Fender USAとFender Japanは全くもって別会社です。
日本製のFenderと言えば聞こえはいいですが、その認識も間違っています。

公式にコピー品を許された日本製のストラトキャスターやテレキャスター。
その認識が正しいところだと思います。

一応Fenderらしくないギターは作れないなどの制限は、子会社ですのでありますが
完全に独立した一法人としてFender Japan社はありました。
扱いとしては当時フジゲンの子会社でもありますね。

同年1982年、フジゲンは世界ギター生産量1位にまで上り詰めます。

ちなみに本家Fenderが工場を失ったときフジゲンは1984〜1987年のFender USAも作るようになります。
その間、自社工場のないFenderはコロナ工場を作るわけですが、その際の技術協力はフジゲン。
当時フジゲン在籍、現Sugi Guitarで知られる杉本さんも技術指導を行いました。
さらにその杉本さんの技術指導の結果、1987年のカスタムショップ設立に繋がります。
そして同年1987年Fender MEXICOをフジゲンとフェンダーで設立します。

さて順風満帆のように見えたFender Japan並びにフジゲンですが、1997年のバブル崩壊後「Fender Japan」「Fender MEXICO」両方の株を米Fenderに売却。

その為Fenderにとってはフジゲンとの共同会社だったフェンジャパもメキシコも、完全なフェンダーの独占子会社化されます。

米Fenderはメキシコのみを残し、フェンダージャパンをスクワイアと統合した結果
「Fender Japan」の15年の歴史に1997年幕を下ろします。

というよりも「フェンダー・ジャパン株式会社」が消滅しました。

同年「Fender Japan」ブランドの第二期が発足されるのですが、それはまた次回の記事にて。
posted by mugeek at 15:00 | Comment(0) | Fender Japan | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月09日

ジャパンビンテージとの付き合い方

オススメのジャパンビンテージ取扱い


ギターのボディ材


これまでジャパンビンテージについて記載してきましたが、やはり特に優秀かつ重要視出来るのが日本の木工技術においてです。
そしてまだ資源に余裕のある時代ですので、贅沢な製作がされてます。
現在安価なギターで「バスウッド」を使用したギターが多いですが、昔の国産ギターにおいてはほぼほぼ「セン」を使用しております。

とは言え一つ覚えてもらいたいのが、決して「バスウッド」自体は悪い木材ではございません。
上質なバスウッドはハイエンドクラスのギターでも使われております。

そして「セン」もまた鳴りが悪いなんてことは言われておりますが、これもまた粗悪な国産製が量産されてしまったことから出た話だと思ってます。
実際の答えは「NO」で、優秀なセンボディのギターもまた沢山あります。

特に価値観として【安い=悪い】【高い=良い】というものがありがちですが
勿論それもあながち間違ってない価値観です。

しかし、安くて美味いものを誰しも食べたことがあると思います。
加えて安価な食材を使っても優秀なシェフの料理は総じて値段があがります。

ギターも同じで、人件費としての技術料が加味されているという点があります。

ハイエンドクラスのギターの価格というものは、優秀なビルダーと高価な木材が使われているのは間違いないのですが、原価計算上ギターの値段というのは曖昧なものです。

その上で選択する木材はケースバイケースであって、自分が望む音の指針に合わせて選ぶべきです。
その中で1970年台後半からのセンは、しっかりギター形状に合わせたものが存在します。

ピックアップや回路など

では電気系統はどうなのか?

これは個人的な意見ですが現代の方が主にピックアップに関して優秀です。

勿論枯れた音、というのは経年で生まれますので一概には言い切れません。
枯れた音はアルニコ等のマグネットが経年により磁力が弱まり生まれるものです。
ちなみにセラミックでは生まれません。

しかしながら現代のビンテージを模倣したピックアップは非常に優秀です。
さすがに同じとまではいきませんが、ジャパンビンテージのソレと比べると格段に上だと思います。

木工技術単体で言えば技術力は今も昔に負けておりませんが、「木」単体は当時の時間をかけた乾燥と経年により鳴りを備えた分、昔の物の方が優秀と言えます。

さて現代のギターはと言うと、勿論優秀なビルダーが作ったものを除き、機械乾燥から2週間〜3ヶ月の経過を果たした木材を使用してます。
つまりジャパンビンテージのボディに対し現代のピックアップを乗せ替えることで、理論上は理想的な配分になることがおわかりかと思います。

実際に僕個人は持っているギターにピックアップを載せ替えたものを使っています。

ジャパンビンテージ系のギターを弾いたことがある方はなんとなく伝わると思いますが、全体的にペケペケしてる印象です。

ソロトーンなどの抜けはとてもいいのですが、丸みの帯びた音というか、ローミッドの部分に関していささか弱いように感じてます。
そこを補う意味でも電気回りの改造はオススメ出来る使用方法です。

ジャパンビンテージはもうとにかく弦を張りっぱなしにしても一切ネックが反りません。
ボディも1P〜3Pで良く出来ています。

その個体はまだまだ現役ですので、さらに寿命を伸ばしてあげる意味でも使える手法だと思います。

折角本家のピックアップがバラで買える時代なのでね、おそらく昔の工場が辿り着きたかったであろうところへ今なら辿り着けます。
本当の意味でのコピー品の完成を果たしてあげるのも面白いんじゃないかと思います。

じゃあもう本家買えばいいじゃんって思うかもしれません。

それは勿論その通りです。

ただ、これは間違いなく言えるのですが
現代の10万円程度の本家と比較するならば
ジャパンビンテージにピックアップを乗せ換えたものの方が音がいいです。

現代のUSAとて確実に3Pのものは減ってますしね。

折角なのでさらに金属パーツも換装するとさらにいいのですが、問題があってハマらないものが多数です。

これは規格によるもので昔のものが悪いということではありません。
いや、悪いのもあるんですけどね。

海外では長さをインチ、日本ではセンチで表現する文化も相まってこれが互換性を下げる更なる要因です。
ジャパンビンテージや国産のギターはここが最大のデメリットでもあります。

現存してるBacchusのようなメーカーであれば替えのパーツも手に入りやすいんですがね。

ジャパンビンテージは個人的に最高ですがいざと言う時の維持費がかかることがネックです。

ちなみにポッド回りや回路のハンダ付は非常に丁寧になされていて今見ても綺麗です。

というわけで個人的に使用している手法の紹介でした。
オリジナルのままで使いたいロマン派の方には申し訳ない話ですが、改造を経て今っぽい音が出せて十分戦える個体に出来ます。
ちょっとでも個性を出したい人、さりげないオシャレしたい人へ是非ともオススメします。
ラベル:tips
posted by mugeek at 11:00 | Comment(0) | ジャパンビンテージ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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